<Qシリーズ(最終予選) 3日目◇6日◇マグノリア・グローブGC(アラバマ州)◇フォールズC=6643ヤード・パー71、クロッシングスC=6664ヤード・パー72>
クロッシングスCで過ごした一日。そのスタート直後のできごとを、渋野日向子は「試練」と表現した。初日を10位で終えて迎えた第2ラウンドは、思わぬつまづきから始まった。「ティショットもセカンドもイヤな左だった」。特にダメージが大きかったのが、フィニッシュ時に腕をクラブから離した2打目。これがグリーン左バンカーに入り、さらに“目玉”になっていたのだ。
すぐさま競技委員を呼び、アンプレアブルを宣言。1罰打を負った後のリカバリーショットで1メートルまで寄せながら、続くボギーパットを外してしまった。ショックはもちろんある。だが、それでめげなかった。「リズム(の狂い)とか下半身が動いてなかったり、上半身が勝ってるのかな」と異変をすぐに察知。それを修正した2番パー3で、ティショットを3メートルにつけると、きっちり決めた。
「ガマンできていたと思うし、あまりにもひどいショットはそれ(1番)だけで済んだ。最初に出てくれてよかったーと思いながら」。その後は6番でバーディを追加し、1番のミスを帳消しに。だが、息が白くなるほど寒かったコースに、ハーフターンの頃から降ってきた冷たい雨が、コンディションをさらにタフにした。14番パー3ではボギー。それでも16番、17番では連続バーディを奪った。
耐えながら進んできた道のり。それだけに、最後が余計に悔しい。18番はパー4ながら、ランが出ない状況もあり、2打目はピンまで208ヤードが残った。握ったのは3番ウッドだ。これをグリーン手前のバンカーに入れながらも、3打目で1メートルまで寄せた。しかし、この短いパーパットが決まらず、ボギーで締めくくることになってしまった。
6664ヤードという数字以上に長さを感じる一日だった。「長いクラブを持つことが多かった。1番手、2番手違うし、一緒に回った選手とも20~30ヤードは違う。ヘタしたら5番手くらい違うんじゃないかと思ったくらい。不利だなと思いつつ、でも耐えることはできた。それでもパー5でバーディを取りたかったし、もう少しできたと思う」。ラウンド後には、すぐさま練習グリーンに向かい、最後のイヤなイメージを払拭すべく、ボールを転がした。
あす以降、天候の回復が見込まれているのは大きな救いだ。2日目を終えてトータル3アンダー・18位タイと、来季の出場権を得られる25位圏内はキープしている。「あす、あさってが大事だから、落とさなくてよかった。ただアンダーで終わりたかったから、最後はもったいない。でも、あしたへ向け切り替えて、自分がやるべきことをやるだけです」。5日間に及ぶ試練も、きっちりとクリアする。(文・間宮輝憲)
