<アムンディ・エビアン選手権 初日◇9日◇エビアン・リゾートGC(フランス)◇6479ヤード・パー71>
「63」の好成績をたたき出し、首位で帰ってきたラウンド後。LPGAによるインタビューに、岩井明愛はごく自然に英語で受け答えをする。「(英語の質問を)聞き取れました! きょうは完ぺきでしたね」。決して特別な勉強をしているわけではないらしい。日常生活、とりわけ会話のなかで自然と養われてきたものだ。そして8アンダーの単独首位で飛び出した初日も、この“会話”が重要なポイントになった。
妹の千怜と組んで出場したペア戦の「ダウ選手権」を除き、通常のトーナメントで60台を出したのは5月「ショップライトLPGA」第2ラウンドで記録した「68」以来。「ショットもパットもよかったし、落ち着いてできていた。ひさびさですね」と声も弾む。スタートの1番から、ピンに対して“つっこめる感覚”もあった。これが今の岩井にとっては大きい。
「最近は自分のゴルフというよりも、消極的なプレーが多かった」
チャンスが続くなか、6番アイアンで打ったティショットを手前4メートルにつけ、それを決めた5番パー3で完全に着火。7番、9番、15番、18番と4つあるパー5はすべてバーディを奪った。9番以降は果敢に2オン狙い。2週前の「KPMG全米女子プロ選手権」は19位だったが、5月以降は予選落ちも目立つ成績だった。そんなモヤモヤを持ち前の攻撃的なゴルフで払しょくし、気分も上がる。
この積極性は、スイングの違和感が解消したことで取り戻したものでもある。ただ、それ以上に重要になったポイントを挙げる。「一番はキャディとのコミュニケーション。今はショットについてのコミュニケーションを取っていけている。2人で話し合い、合意するとスムーズにいけるんです。やっぱりコミュニケーションは大事」。今週タッグを組むマーク・ウォリントン氏との阿吽の呼吸に胸を張る。
メジャー大会で日本勢による単独首位発進は、2022年「エビアン選手権」の古江彩佳、24年「全米女子オープン」の笹生優花に続く史上3人目。さらにこの日の「63」は、22年のエビアンで古江が記録したスコアに並ぶ、メジャー大会第1ラウンドにおける日本勢の最少ストロークとなった。
7月5日には24歳の誕生日を迎えた。まさに伸び盛りの時期。米国ツアーでの成長の跡をしっかりと見せたい。「あしたも楽しみながら。キャディのマークもいますし、1人じゃないと思って頑張ります」。午後組でプレーする2日目も、時に笑顔で時に真剣に、意見を交わし合う2人の姿が見られそうだ。(文・間宮輝憲)
