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苦節乗り越え世界に認められた渋野日向子 コーチとの1年半を振り返る【記者の目】

苦節乗り越え世界に認められた渋野日向子 コーチとの1年半を振り返る【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2019年8月8日 16時03分

日本勢が9人出場した女子版の全英オープン。20歳の渋野日向子が海外試合初出場で、優勝をさらった。日本人メジャー優勝は樋口久子以来42年ぶりの偉業だった。

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ドイツからロンドン行きの格安航空会社フライトが急遽キャンセル、たらい回しで空港を走り回らされ、国際免許とクレジットカードを紛失。デュッセルドルフ空港で一夜を明かし、1日遅れで失意の英国入り。当初の予定より大幅な遅れでレンタカー手配にも狂い。借りられたのは小型のトラック。そんな暗雲立ち込めるスタートの全英取材となったが、コースに到着して笑顔で迎えてくれたのが渋野だった。

大会前の月曜日。渋野日向子の練習ラウンドについていった。日本と変わらない様子。「勝ったから言えるのだろ」と突っ込まれそうだが、その時のプレーを見ていて思ったのは、「そこそこやれるのでは」だった。6ホールだけだったが、カナダの妖精、ブルック・ヘンダーソンとのラウンド。練習とはいえ、世界トップの選手をしのぐ内容だった。

ドライバーは曲がらず、アイアンもグリーンを正確にとらえた。上々の調子を保っているのは明らかだった。あとはグリーン上の勝負。入り出したら止まらない、長いものから短いものまで、なんでもガツガツ、カップ反対側の縁を壊しながら、前をこじ開けていく。そんなスタイルがメジャーでも健在なら、勢いがある今、「そこそこ」の位置では終わると思っていた。

そんな「そこそこ」の勝手な期待は、見事に裏切られた。メジャー大会のプレッシャーなどというものは、こっちが勝手に決めつけているもの。渋野自身は、「あくまでも1つの試合」という意識で、むしろ国内試合よりもリラックスして見えた。そして、のちに、日本が誇る微笑み天使が快挙を成し遂げる。

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