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メジャー“最長ブランクV”王手 藤田さいきは高熱に見舞われ「きょうも奇跡(笑)」

藤田さいきは完全優勝、そして15年ぶりのメジャーVに王手をかけた。

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2025年5月11日 08時45分

体調不良も藤田さいきの強さは変わらず
体調不良も藤田さいきの強さは変わらず (撮影:福田文平)

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 3日目◇10日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>

39歳の藤田さいきが、2022年の「サントリーレディス」以来となる単独首位で最終日を迎える。初日からトップをキープして、3日目は6バーディ・1ダブルボギーの「68」をマーク。トータル10アンダーで2位に2打差をつけている。

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「きょうも奇跡ですよ(笑)」。大会前から体調不良が続いており、第3ラウンド前夜には「39.5度」の高熱に見舞われた。家族の看病によって多少は回復したものの、「(プレーが)できないかも、ぐらいのレベル」で、3日目も37.5度の熱がある状態で挑んでいた。

その中で6つのバーディを奪えた要因は「パッティング」だった。「ちょっとボーっとしていましたけど…それぐらいがいいのかもしれない」と苦笑い。万全ではないながらも、「めちゃくちゃシンプルにできています。頭の中」と、“考えすぎない”ゴルフが功を奏している。

「完全にいい方向に転がっています」と冗談交じりに話すが、スコアがそれを物語る。『もし体調が良かったら?』という質問には、「たぶん、余計なことばかりするでしょうね」と話した。棄権せずにプレーを続ける理由を問われると、「メジャーですから」と言い切る。

藤田にとっては、2010年「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」以来の15年ぶりメジャータイトルがかかっている。もし優勝すれば、08年大会で11年ぶりにメジャーVを飾った福嶋晃子を超え、公式戦での最長ブランク優勝記録を更新する。「あまり言ってはいけないですが、(メジャーでなければ)100パーセント休んでいますね」と本音も明かした。それほどまでに、大舞台にかける想いは強い。

苦しい状況で戦えている背景には、夫の存在がある。「めちゃくちゃ大きい。きのう、東京まで行って(薬を取って戻ってきて)くれた。飛来物でガラスが割れたらしくて、『修理代が高い』と言われたので頑張ります(笑)。一人では絶対に無理です。支えられて、周囲の人にも恵まれている。すごく感謝しています」と話した。

メジャー大会で“恩返しV”なるか。15年ぶりのビッグタイトルに向けて、ラストスパートの幕開けだ。(文・高木彩音)

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