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先週は“後輩”が初優勝も「焦らずに」 政田夢乃は飛距離「5~10Y」アップでV戦線へ

政田夢乃がボギーなしの「67」で好発進。ツアー初優勝を目指す。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年7月18日 14時38分

今季自己ベストタイ「67」をマークした政田夢乃
今季自己ベストタイ「67」をマークした政田夢乃 (撮影:佐々木啓)

<明治安田レディスゴルフトーナメント 初日◇18日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>

急きょ、中止になった前日は、朝市に行き大好物だというツブ貝などに舌鼓。プロ2年目の政田夢乃は、その原因になったクマの存在について、「怖いなと思う部分もある」とも話すが、「ゴルフ場は山にあることが多いし、仕方ない。開催が決まったので頑張ろう」と、前を向いて観客のいないコースを歩いている。

【写真】クマ対策で爆竹を鳴らしています

とにかく「一打一打に集中」。そんな気持ちがスコアにも表れた。5バーディ・ボギーなしというラウンド。先週は地元・北海道で行われた「ミネベアミツミレディス」で今季初となるトップ10入りを果たしたが、その状態を維持している。

スタート時は不安もあった。「ショットがあまり良くなくて、ピンに飛んで行かなかった」。そんな気持ちを落ち着かせたのが、この日、最初のバーディを奪った3番パー3。7メートル以上はあるロングパットを決め、「調子が悪いわけではない」と思えた。そこからは朝の練習場で当たりが薄く、右へ左へ散っていたショットがまとまりはじめる。

今季はQTランキング9位で迎え、第1回リランキングは22位で通過。ただ、6月の「リゾートトラストレディス」から7試合中5試合で予選落ちと苦しい時間も過ごした。それでも、先週の地元大会で6位という好成績。これまでの取り組みが実を結びはじめている。

それが「キャリーで5~10ヤード伸びた」という飛距離アップ。オフはもちろんのこと、シーズン中も毎週月曜日や大会期間中の空き時間には、1時間ほどトレーニングに励んでいる。その分野に詳しい友人にメニューを組んでもらい、汗を流していくうちに、「番手が短くなってチャンスにつけられている。去年と比べて成長しています」という実感も得ている。実際に平均飛距離も、昨年の230.77ヤード(70位)から234.61ヤード(65位)に伸びている。

先週は北海学園札幌高時代の2学年後輩、内田ことこがツアー初優勝を挙げた。“先輩”はその試合の3日目に「73」と落とし、4位から9位まで後退したことを少し悔やむ。ただ、「私も優勝したい気持ちはあるけど、焦らずにまずは自分のプレーをしたい。予選落ちが続いていたので、予選を通過して上位で戦えるようにと思っています」と、マイペースを貫く気持ちは忘れない。

無観客のコースには、「寂しい気持ちもあります。(第1ラウンドで)たくさんバーディを取ったので、『お客さんがいたら盛り上がるだろうな』と思っていました」と、感じるものもある。だが、そのなかで先週に続く好スタート。プロ2年目の初優勝を、しっかりとイメージできる位置につけた。

「先週は毎日アンダーで回りたいと思ったけど、3日目に崩した。今週はその反省を生かして、トップ10、優勝を目指して頑張りたい」。静寂のコースでも、1勝の価値は同じ。後輩からの刺激も力に変えたい。(文・間宮輝憲)

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