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“思考改革”の堀琴音が「67」の猛チャージで単独首位に浮上 ミセス初Vに王手も「そうでした。忘れていました」

堀琴音が単独首位で最終日へ。ミセス初優勝なるか。

所属 ライター
臼杵孝志 / Takashi Usuki

配信日時:2025年4月20日 08時30分

堀琴音がミセス初Vをかけて最終日へ
堀琴音がミセス初Vをかけて最終日へ (撮影:佐々木啓)

<KKT杯バンテリンレディス 2日目◇19日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6565ヤード・パー72>

12位から出た堀琴音が7バーディ・2ボギーの「67」と伸ばし、トータル7アンダーで単独首位に立った。予選落ちした前週からのV字回復の要因は、「欠点を直す」のではなく「長所を伸ばす」という“考え方改革”だった。

【写真】堀琴音さんの笑顔がまぶしい

金言を授けたのはツアー通算5勝の青木瀬令奈。今大会の開幕前日に一緒に食事をした際の“お言葉”が原点に立ち戻るきっかけとなった。「瀬令奈さんはどういうマインドでゴルフをしているんですか」と堀は質問。それに対し
、青木は「自分の欠点をちゃんと上げていくのもいいけど、自分の長所を忘れちゃいけないよ」と答えた。

昨季のドライビングディスタンスは229.64ヤードで72位。ドライバーショットは少しでも飛ばしたい。ゴルファー共通の思いは堀も同じだった。持ち球はフェードだが、飛距離を伸ばすために球のつかまりを意識したストレート気味に変えることに取り組んだ。変化はすぐに表れたが、理想とする球筋は一朝一夕にはいかなかった。

「ちょっとつかまりすぎているなと感じたり、当たりが薄かったりでした。飛んだり、飛ばなかったり。左に飛んでいくことも多かったですね」

そんなときに実現した以前から親交のある青木との食事会。飛ばない欠点を直すことに注力するよりも、結果を残してきた持ち球のフェードに磨きをかけた方が通算3勝目には早くたどり着くはず。「フェードで優勝したのだから、ちゃんとフェードでを心がけようと。そこを意識したら良くなりました」。この日のベストスコアでつかんだ昨年6月の「資生堂レディス」2日目以来となる単独首位には、特別なタネも仕掛けもなかった。

初日首位の永峰咲希とは同級生で、プロテストも同じ2014年に一発合格した。永峰はこの日「71」と伸ばし切れずに2位タイに後退し、初めて一緒に最終日最終組を回ることは実現しなかったが、ともに3勝目を懸けての優勝争い。さらに、永峰は21年に結婚し、堀も昨年12月にクリスマス婚。ともに初のミセスVも懸かっている。

「そうでした。忘れていました。ミセスか…」

照れ笑いしたが、「プロゴルファーという仕事を理解して、応援してくれる彼のためにも早く勝ちたい」と結婚直後に誓った言葉は忘れていない。単独首位で出た昨年の「資生堂レディス」の最終日は「72」のパープレーで2位に終わり、2位から出た昨年8月の「NEC軽井沢72」の最終日は「71」と1つしか伸ばせずに同じく2位に甘んじた。「勝てなかったけど、自信になった試合。今度こそは…と思っています」。

フェードを貫き通し、ミセス対決を制した先に、3年ぶりの美酒が待っている。(文・臼杵孝志)

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