<ニトリレディス 初日◇28日◇北海道カントリークラブ 大沼コース(北海道)◇6955ヤード・パー73>
レギュラーツアー初優勝を狙う林菜乃子が、3バーディ・1ボギーの「71」をマーク。アンダーパーで初日のラウンドを終えた。
予選落ちを喫した先週、試合後に徹底練習を行った。そして「練習の質が良くない」と痛感した。「時間と質は掛け算。質の高い練習を時間かけてやることで伸び幅も大きくなる」。一球ずつ狙う場所を変え、ラインを取り、エイムポイントも設定し…。ショットからショートゲームまで、ズレを完全になくせるように、時間をかけて取り組んだ。
そしてきょうは「試合と同じルーティンで練習できたことで、本番でも同じくできた」。準備を徹底することができたからこそ、3パットでボギーにしたミスも、「いいラインに打てていたし、芝の影響で外れることもある。ラインを読み切れなかった」とすぐに切り替えられた。ボギーをこの1つに抑えられたのも、見直した“準備”の成果だ。
さらに、ギアにも手を加えた。「ティショットでフェアウェイを外したのは1回だけでした。もともとあまり曲がるわけではないけれど、フェアウェイの中でもセンターに近いことが多かったです」。好スコアの要因になったのは、安定したティショット。練習日に試した藤倉コンポジットの新シャフト『スピーダーNXゴールド』が早速、成果につながった。
最近はドライバーに不安があった。「一瞬詰まったり、いい振りをしているのにヘッドが先にいきすぎて左に行ったり。イヤがって右に行くこともあった」。そんな中、7月の「明治安田レディス」で3番、5番ウッドに同シャフトを入れたところ、弾道の変化を実感。それがドライバーのシャフトを替えるきっかけになった
手元側の剛性を抑え、中間から先がゆっくりと戻るタイプ。「打ち出しが少し高くなって、球の飛びが安定するようになりました」と、即投入に至った。今週のラフは粘りが強くクラブを抜きにくいため、狭いフェアウェイにキープすることがスコアのカギとなる。「思い切り振れたしねじれも減った。ドライバーが安定したのが大きいです」と笑顔で振り返った。
同じく今週から投入し、好感触を得ているのがルーキーの青木香奈子だ。これまでは『スピーダーNX ブラック』を使用していたが、「トレーニング効果や夏場ということもあって振れている。つかまりすぎが怖くなったり、OBも出るようになっていたけれど、新しいものを試したらすごく良かった。ひさしぶりに気持ちよく振れました」とスイッチした。
初日は3バーディ・2ボギーの「72」でプレーし、アンダースコアでの滑り出しは5試合ぶり。60位タイまでの予選通過圏内に入り、「パナソニックオープン」以来となる11試合ぶりの週末行きも見える位置につけている。ラフのプレッシャーの中でも果敢に攻め、持ち球のフェードで上位をうかがう。
金色に輝く“最強シャフト”が初日から存在感を放った。(文・高木彩音)
