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今季5人目V…“石ころ”は黄金世代も超える“最強世代”に 来月30歳・木村彩子の次なる願いは「メジャーチャンピオンになりたい」

好調95年世代の流れに続いた。木村彩子が3年ぶりツアー2勝目を挙げた。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年10月20日 07時30分

好調95年世代の流れに続いてみせた木村彩子
好調95年世代の流れに続いてみせた木村彩子 (撮影:鈴木祥)

<富士通レディース 最終日◇19日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>

3年ぶりの優勝が決まるパットを流し込むと、29歳の木村彩子は両手を大きく広げガッツポーズ。最終18番はボギーだったが、それでも2位と4打差のトータル12アンダーでの圧勝だった。アゴがほぼ垂直に立つ18番の名物バンカーには、最後まで恐怖心を抱いていたが、グリーンに乗せると「寝られなかったきのうの夜に考えていた優勝スピーチを考え直したり、カメラマンがどこにいるかを見渡す余裕もありました」と、“笑顔の決めポーズ”で激戦を締めくくった。

【写真】同世代も祝福!木村彩子、歓喜の瞬間に駆け付けた仲間たち

3人が並ぶトップのひとりとして迎えた最終日。もちろん、最初からそんな“余裕”があったわけではない。「今年はトップ10は多い(9度)けど、優勝争いをしてのトップ10はあまりなかった。ドキドキしていました」。1番では、同組の渡邉彩香、高橋彩華がバーディで滑り出したなか、ひとりパーで“乗り遅れ”た。だが4番パー3で4メートルの下りスライスラインを決めて初バーディを奪うと、続く5番パー4も2打目を2メートルにつけ“〇”を並べた。

初優勝を挙げた2022年の「アース・モンダミンカップ」は首位と6打差の9位からスタートし、「69」のプレーで逆転。そのため「競りあいの優勝争いで、どうなるか不安だった。緊張もするタイプなので」ということが、頭の片隅にあった。そんな時、松村卓キャディから『できることをやろう』という言葉。それを信じた。「自分のゴルフをしよう」。途中、リーダーボードを見ても、動揺はしなかった。「これまでボードを見て、うまくいったことがなかった。成長できたと思えました」というのも、うれしい。

優勝を決めた後、同学年の柏原明日架、永峰咲希が駆け寄り、祝福された。今季、同じ1995年度生まれの選手たちがツアーを賑わせている。今月初旬の「日本女子オープン」を制した堀琴音をはじめ、永峰、柏原、そして金澤志奈と4人の優勝者を輩出。うち2人がメジャー女王だ。「祝勝会をしている時、私も祝ってもらいたいなと思っていました」。今回は主役として、宴に参加できる。

2年前、指導を受ける南秀樹コーチからの進言もあり、トップを高くするスイングに改造した。もともと本人は乗り気ではなかったというが、コーチの『やるしかない!』という強い言葉に、ほだされた。その際、見本にしているのが、堀のスイング。ただ、「こっちゃんには、『素振りでは高いのに、実際に振ると思っているより5倍くらい低いよ』と言われてます。『私には似てない』って」というやり取りも笑いながら明かす。

最初、乗り気ではなかったスイングも、今では、「ラフから打ちやすくなりました。トップが低いとインから入ってラフにからまって左へいったり飛ばないこともあったので」と、すっかりお気に入りに。これが4日間を通じて全体8位だったフェアウェイキープ率(73.8%)、同じく3位だったパーオン率(75.9%)という高水準のショットを生み出した。

「64」を出し首位に浮上した2日目のラウンド後には、「私たちの世代だけ“〇〇世代”というのがないので、つけてください」と“懇願”した。「誰も優勝してない時は、自分たちで“石ころ世代”って言ってました」という話も。しかし今季は、5人で5勝を挙げる一大勢力になっている。

これは佐久間朱莉(3勝)、岩井千怜、内田ことこで計5勝を挙げる2002年度世代と勝ち数で並ぶが、人数は今季最多。“〇〇世代”の象徴ともいえる黄金世代も4勝(河本結2勝、小祝さくら、高橋彩華)で、それもしのぐ数字だ。木村は、昨晩から練っていた優勝スピーチで「同級生で盛り上げていけるようにこれからも頑張ります」という決意も表明した。しっかりと、“たすき”はつないだ。

次なる目標は、「メジャーチャンピオンになりたい」。堀、そして「ソニー日本女子プロ選手権」に勝った金澤に続くビッグタイトルを標的にする。この勝利で、シーズン最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」(11月27~30日、宮崎県・宮崎CC)の出場権も確定。「すごく意識したい」と、一段と気合も入る。

15年のプロテストで合格し、初優勝までは7年を費やした。2勝目を目指す3年間では、「もう勝てない選手かもしれない」という思いも浮かんできたという。一番の理想像は「息の長い選手」。11月2日には30歳を迎えるが、「技術も気持ちも(若い頃より)上がっている」という実感もある。なにより同学年選手たちとの切磋琢磨により、“石ころ”はますます磨きがかかっていく。(文・間宮輝憲)

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