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帰国→即18ホールの鉄人ぶりは健在 古江彩佳は“パター三刀流”で速・硬グリーン攻略へ

古江彩佳は初のメジャータイトル獲得へ、パターを3本持ち込んで調整した。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2024年5月1日 17時13分

古江彩佳は3つのパターを持ち込み調整した
古江彩佳は3つのパターを持ち込み調整した (撮影:福田文平)

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 事前情報◇1日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>

開幕前日に強く降った雨が影響を及ぼすかもしれないが、今年の茨城ゴルフ倶楽部のグリーンは“これぞメジャー”という硬くて速い仕上がりになっている。選手たちが語る印象もその部分への警戒が多い。

入念にグリーンを確認する古江彩佳【写真】

ここが今季の国内ツアー初戦となる古江彩佳も、「今年も“速・硬グリーン”。いつも難しいセッティングだけど、グリーンが仕上がってるなという印象です」とその部分をカギに挙げたひとり。そして開幕前には自身の状態も踏まえ、入念にパター選びを進めている様子がうかがえた。

1日(水)に行われたプロアマには3本のパターを持ち込み、それぞれの感触を確かめた。1本はエースにしているテーラーメイドのスパイダーツアーXで、もう1本は同モデルでクランクネックのもの。そこに先週出場した米国ツアー「JMイーグル・LA選手権」で使用した新生『トゥーロン』を加えた構成だ。エースは「ずっと重さを感じていた」ということから、ウェイトを軽くするという調整を加えている。

もともと、ここ最近の古江はショットは悪くないなか、パターが悩みの種になっていた。「今週はグリーンが速いので寄せるのも難しいかなと思う。4~5メートルや10メートルとかも、毎日ひとつふたつ入れていきたいなと思います」。25位で終えた先週のLA選手権は、4日間のフェアウェイキープ率が98.2%(55/56)と高水準だったのに対し、パター数は4日間のうち3日が30回台だった。特に最終日は35回と、苦しんだことが伝わってくる。

「いい時もあるけど最後にパットが入らないと、そこでリズムが作れない」。グリーン上のプレーは他の部分にも影響を与えてしまう。「入れるのは自分次第。ラインとタッチを合わせられるようにしたいと思います」。試行錯誤のすえ開幕前日時点では、軽量化したエースのスパイダーを使う予定だと明かすが、試合中も状態を確かめながらのプレーになりそうだ。

先週の試合を終え、帰国したのは30日(火)の早朝。そこからすぐさまコースに入り、18ホールの練習ラウンドを敢行したのだから、その鉄人ぶりはさすが。「(体調は)今のところ大丈夫。逆に忙しくすることで時差ボケもなおりやすいと思っています。昨日は夜中に起きることもなく大丈夫でした」。強行日程という面は問題なくクリアし開幕を迎えられそうなのは好材料でもある。

日本ツアー通算7勝、米国ツアー1勝を誇るが、このなかにメジャータイトルはない。「優勝もできているなか、メジャーを獲れていないので欲しいところ。難しいセッティングがほとんどで、うまくやりくりして勝つには強さが必要だと思う。そこを目指していきたいです」。やはり選手としては、のどから手が出るほど欲しい優勝になる。

今季開幕から公言するパリ五輪日本代表への思いは、変わらない。「本当に出たい。混戦なので、しっかり優勝すればジャンプアップもできる。6月末までに優勝をひとつでもしたい」と、これが勝利への欲求を増す要素にもなる。現在、世界ランキングを基にしたゴルフ五輪ランキングでは畑岡奈紗に次ぐ日本勢2位。ただ世界23位の古江に続くのは、同25位の笹生優花、同28位の山下美夢有らで、決して安全圏とはいえない。

「ライバルより上にいることでポイントの差がついていくと思うので、そこは大事」。そのためにもチャンスを生かして、優勝争いにまずは食い込みたい。(文・間宮輝憲)

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