＜日本女子オープン 事前情報◇25日◇芦原ゴルフクラブ 海コース(福井県) ◇6528ヤード・パー72＞
第56回「日本女子オープン」の開幕が近づいてきた。今年は芦原ゴルフクラブ 海コース（福井県）で9月28日（木）から開催される。
国内最高峰に位置づけられる本大会にはある記録がある。それは最多観客動員数だ。毎年多くのギャラリーを集め盛り上がるが、その中でもずば抜けて多いのが2005年大会。国内女子ツアー史上最多観客動員数を記録したその第38回大会を振り返る。
舞台は戸塚カントリークラブ（神奈川県）。当時、国内女子ツアーの人気をけん引していた宮里藍の存在もあって、最多ギャラリー数を塗り替えることとなった。
4歳でゴルフをはじめた宮里。中学生になると世界ジュニア、地元・沖縄で開催された「ダイキンオーキットレディス」などに出場。高校は次兄の優作が東北福祉大に進学していた影響で、同じ仙台市にある東北高校に進学する。3年時の03年に「日本女子アマ」で優勝すると、同年アマチュアとして出場した「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で、ツアー史上2人目となるアマチュア優勝を飾った。
同年10月に史上最年少となる18歳3カ月でプロ転向すると“藍ちゃん”フィーバーを巻き起こす。翌年の地元・沖縄での開幕戦ダイキンオーキッドレディスでは、次兄の優作を帯同キャディにして参戦。プロ初優勝も達成。試合に出るだけで大勢のギャラリーが押し寄せるほどの社会現象にもなった。
フィーバーに沸く国内女子ツアーで迎えた第38回日本女子オープン。初日からトップに出た宮里はそのまま首位を譲ることなく最終日を迎えた。メジャー初制覇に期待が膨らみ、大会最年少優勝記録もかかっていたこともあり、当日は大会史上初めて2万人を超える2万1018人が詰めかけた。ちなみに、勝みなみが連覇を遂げた昨年大会は4日間で2万7271人であることから1日の動員数としてはいま振り返っても驚きの数。多くの声援を背に宮里は集中力を切らすことなく2位に5打差をつけての圧勝。詰めかけた観客たちを大いに沸かせた。4日間を通してのギャラリー数はトータルで4万8677人を記録。これは未だに破られていない観客動員数となっている。
国民的ヒロインとなり女子ゴルフ界の人気を長年にわたって引っ張った宮里。今はその背中を追うように多くの若手選手が台頭しツアーを盛り上げる。ココパリゾートクラブ白山ヴィレッジクラブ（三重県）で行われた19年大会は、全英のタイトルを引っさげ渋野日向子が出場。“しぶこ”フィーバーに沸き4日間で4万6165人がコースを埋め尽くした。記録更新に迫ったが、惜しくもツアー歴代3位の動員数にとどまった。しかし再び国内女子ツアーの熱が高まっていることを感じさせる大会でもあった。
多くのギャラリーが駆けつける日本女子オープン。もちろん優勝争いも楽しみだが、福井県という女子ツアー開催がほとんどない地での開催で、何人が訪れることになるのか。
