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「これだけやったら優勝するよね」“ゴルフ漬け”で得た自信 河本結が涙の復活V

河本結が悲願の2勝目。5年ぶりとなる栄冠に輝いた。

所属 ライター
田中宏治 / Koji Tanaka

配信日時:2024年8月11日 18時28分

優勝を決めて喜びのガッツポーズ
優勝を決めて喜びのガッツポーズ (撮影:鈴木祥)

<NEC軽井沢72ゴルフ 最終日◇11日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6685ヤード・パー72>

後続に3打差をつけ、単独首位でスタートした河本結は「73」とスコアを落としたものの、トータル11アンダーで逃げ切り、5年ぶりとなるツアー2勝目を飾った。前日は「18ホール、バーディを取る気持ちで」と意気込みを口にしていたが、まさかのバーディなしでの優勝に「めっちゃ悔しいです」と苦笑い。「来週早くバーディを取りたい」と次の目標を口にした。

優勝インタビューで涙をこぼす河本結【写真】

最終18番パー4。最後に訪れた2.5メートルのバーディパットも「ラインが違いました」と決めることはできなかった。惜しい場面はいくつもあった。5番パー4、4メートルがカップに蹴られた。後半に入り、13番パー5では7メートルのスライスラインを読み切ったものの、またもカップに蹴られてがっくり。17番パー3ではカラーからの7メートルがまたもカップに嫌われ、ヒザをついて苦笑いを浮かべた。

「あまり優勝したという感覚がなくて、いつも通りに試合が終わった感じです」。首位で最終日を迎えても必要以上に気負うことなくプレーできたと同時に、バーディがなかったことも、優勝の実感がない一因だろう。

前回の優勝からの5年間には米ツアー挑戦と撤退、日本ツアー復帰後の不振など、さまざまなことがあった。優勝会見ではそんな苦しい時期のことも笑顔で振り返ったが「昨年と今年で何が変わったんですか?」という問いかけに答え始めると、涙があふれた。

「昨年のQTが終わった後、車の中で母が『こんなにつらいのに何もしてあげられなくてごめんね』って泣いていて、それを見て、自分のゴルフへの向き合い方が甘かったな、今年は勝負の年だなと思いました」。母の涙はすべてが変わったきっかけ。今では「『これだけやっているんだから優勝するよね』と思っていました」と言えるほど、すべての時間をゴルフに費やしている。

結果が出ない間も変わらずに応援してくれたファン、「一社も離れずにサポートしてくださった」というスポンサーにも感謝。リコー所属選手として、この優勝でツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の出場が決まったことを「きのう、山下(良則)会長から『頼んだぞ』とだけメッセージが来ていた。勝てて良かったです」と喜んだ。同大会には2020年以来の出場となる。

弟の力(りき)が「リコー」の翌週に行われる男子ツアーの最終戦「日本シリーズJTカップ」に出場できた場合にはキャディを務める予定。現時点では圏外だが「きょうは良くなかったみたいですけど、状態は良くなってきているので、元気づけてあげたいです」。2勝目は決してゴールではない。姉弟で支え合いながら、これからも大きな夢に向かって歩み続ける。(文・田中宏治)

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