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なぜジャンボ尾崎はトップ選手を輩出し続けられるのか? 育成哲学に感じた一貫性「富士山に登るのは一番最後なんだ」

なぜジャンボ尾崎はトップ選手を輩出し続けられるのか? 育成哲学に感じた一貫性「富士山に登るのは一番最後なんだ」

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2022年2月14日 12時00分

これほどの実績を誇る人物が教え、その教え子たちが結果を出すと、どうしても『どんな優れた指導をしているのか?』と考えたくもなる。しかし、当のジャンボは、あくまでも「若い子の成長は本人次第」ということを考え方の基本に置く。昨年11月、「大王製紙エリエールレディス」を制した原が、ジャンボからの『振り切れていない』というアドバイスを意識して優勝につながったと話していたように、“見るポイント”が的確なのは事実だろう。ただ原は、ツアー会場で遅くまで黙々と練習する選手の一人でもある。

ジャンボは、今のジュニア世代の“傾向”について笑いながら、こう話す。「目標はすごいことを書くんだよ。メジャーで勝ちたいとか。願望や夢、これだけではダメなんだ」。渋野日向子が全英に勝ち、昨年は松山英樹がマスターズ、笹生が全米制覇を成し遂げた。今、日本ゴルフ界と世界との距離は一昔前に比べ、格段に縮まっているように思える。ただ、その言葉は、一足飛びにそこに到達できるわけではないという警鐘のようにも聞こえる。

例えば基礎練習の重要性を語る時も、一言添えられた。「今の子供は素振りが足らない。すぐにうまくなりたいから球を打って、結果を出したいんだろうな。素振りをしっかりしたほうが、体に力がつく。そういうことも教えていきたい」。こういう言葉を聞くと、なおさらジャンボ邸で“魔法の理論”が伝授されているわけでないことが分かる。そしてこう続ける。

「今は親の期待も大きいんだ。特に女子の世界は。そういった意味では、親が一番最初に教えることに責任が出てくる。早くうまくなって欲しいと思って、小さい子供に父親のクラブを振らせたりしたら、スイングも崩れる」

では、プロで活躍できる選手に、何か“共通点”はあるのだろうか? ジャンボにそれを問うと、じっくりと考えたあと、こう口を開いた。「うまくなろうとしている人間は向上心が非常に強い。目標をはっきりと自分で持つことができる」。ただし、これにも注意点がつく。

「最終目標が大きければいいってもんでもない。大きすぎて途中でこける奴が多いからな。目標は自分がクリアできるものから設定しないと。それを超えたら次の山に挑戦。富士山に登るのは一番最後なんだ。これくらいの山なら登れる。それができたら、次はもう少し高いところ。最後に一番高い山にたどり着くことが必要。最近はみんな最初に富士山に行きたがる。メジャーを獲りたいって。へへへ。今のお前に何ができるんだ」

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