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“鬼門”を突破したプロ9年目の篠崎愛が2差7位に再浮上 より高みを目指す最終日に「私にもできると思ってやっている」

上り調子の27歳・篠崎愛が初のトップ10入りを視界に捉えた。

所属 ライター
臼杵孝志 / Takashi Usuki

配信日時:2025年7月27日 07時00分

<大東建託・いい部屋ネットレディス3日目◇26日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡)◇6503ヤード・パー72>

6バーディ・2ボギーの「68」と伸ばした篠崎愛(まな)が22位から首位と2打差の7位に上がってきた。初日は「66」で回り、プロ9年目で初となる首位で滑り出したが、2日目は「73」とスコアを落として大きく後退。再びV圏内に浮上した27歳は照れくさそうに笑った。

【写真】サングラスを外した素顔です

「きのうは一応、トップからのスタートだったので、予選落ちしたら恥ずかしいなぁと思いながらやっていました。冷や冷やまではいかないけど、よかったなと」

自己ベストとなる「66」は、前週の「明治安田レディス」初日に初めてマークした。そのときは首位と3打差の6位発進。勇んで臨んだ2日目だったが、まさかの「78」をたたいた。順位は急降下の100位。予想もしていなかった予選落ちだった。悪夢のような一週間前と同じ初日の「66」。「そうなんですよね。できれば、あと1つ、2つは伸ばしたかったけど」。一抹の不安を抱えて臨んだ“鬼門”の2日目を乗り越え、初日の勢いを取り戻したように6バーディ(2ボギー)を奪った。

4番からは3連続バーディ。ワンオンチャレンジの5番パー4(256ヤード)は、グリーン左カラーまで運び、6番は2メートルを沈めた。上がりの17番、18番も気持ちよくバーディで締め、「きのうよりパットがよかった。明日もやることは同じ。1打、1打に集中していきたい」と意気込んだ。

QTランク3位の資格で初めて出場した開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」から始まった今季は、充実のシーズンを送っている。第1回目のリランキングも24位でクリア。初のフル出場の当初は空回りの予選落ちが続いていたが、今週を含めて最近9試合で予選落ちは前週の一度だけ。3週前の「資生堂・JALレディス」は18位に入った。

「私でも勝てるんじゃないかなという気持ちで、いまはやっています。でも、勝ちに行って勝てるほど甘くはない。意識はするけど、淡々と自分のペースでやって、その結果が優勝だったらうれしいです」

昨季年間女王の竹田麗央、2022、23年の年間女王の山下美夢有、さらに昨季メルセデス・ランキング3位と5位の岩井明愛・千怜のツインズが米ツアーに主戦場を移した。本命不在を象徴するように今季はすでに初優勝者が6人誕生している。7人目を目指す最終日。「難しいとは思うけど、平常心でやりたい」と地に足をつけて完走できれば、ハッピーエンドのゴールも見えてくる。

栃木・上三川町出身で、TP単年登録(現在は制度廃止)した17年にプロとなり、プロテストには21年6月に5度目の挑戦で合格した。これまでは23年「meijiカップ」の13位が最高で、トップ10入りは一度もない。優勝争いはツアー74試合目となる今大会が初めてだが、気後れはなし。大きく変わりつつある女子ツアーの勢力図は新たな上書きが必要になるかもしれない。(文・臼杵孝志)

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