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「冷静さがなかった」20歳・細野勇策は『61』→『76』に肩を落とすも32年ぶり日本人レフティVは“諦めない”

ぶっちぎりで予選通過を果たした細野勇策は3日目にスコアを落とした。

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2023年4月2日 07時30分

<東建ホームメイトカップ 3日目◇1日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>

プロ4戦目、20歳のレフティ・細野勇策は、初体験の決勝ラウンド最終組で洗礼を浴びる形となった。2日目に大会コースレコードとなる10アンダー「61」をマークして、一躍時の人となった。2位に4打差をつけてスタートした3日目は、3バーディ・3ボギー・1ダブルボギー・1トリプルボギーの「76」と落として、トータル11アンダー、首位と3打差の9位タイに後退した。

「意識はないんですけど、結果だけ見れば硬いですよね」。普段と同じようにティオフしたつもりでも、朝から思い通りのショットは打てていなかった。3番でボギーを叩くも、4番、5番で連続バーディ。「序盤はスコアをまとめられていたので、今日1日やり切れればなって思っていたんですけど…」。

潮目が変わったのは7番パー4。「トップに立っているならパーでいいという考え方ができればよかったんですけどがっついちゃって。冷静さがなかった」とグリーン奥に切られたピンに対してキャリーでピン付近に着弾して、ボールはグリーン奥にこぼれた。アプローチは1メートル強に寄せたが、「ラインに迷いがあって、ミスパットでした」とボールはカップを半周してはじき出されてボギーとした。

続く8番パー4は、左ドッグレッグでホールの左サイドには山があり、山裾を狙って打つホールである。しかし山の上のOBには警戒が必要だ。レフティでドローヒッターの細野は山の上部めがけて打ったが、打ち出されたボールは戻ってこずOBゾーンに消えた。打ち直した3打目もギリギリのところに飛んだが、なんとか前に抜けて左ラフへ。4打目は前方には枝がせり出してしたため低いボールで花道まで運んだが、そこから3打かかって痛恨のトリプルボギー。この時点で今平周吾と並んだ。

続く9番はティショットを右に曲げるなどトラブル続きでダブルボギー。首位の座を明け渡して折り返した。後半は1バーディ・1ボギーの「36」にまとめたが、「気持ちは切りかえられなかったです」と肩を落とす。

「8番のティショットは、ショットもよくなかったですが(風なのか)何が原因なのか分からないです。もうちょっと右に打っておけばよかったかなと。9番も自分のミスなのでしょうがないです」と反省の弁もこぼれる。ラウンド後は「上がった瞬間から思っているんですけど、ぜんぜん受け入れられなくて…」。前日の「61」と15打も違うスコアに「感情の起伏が、昨日と今日で激しい。人生で一番ぐらい激しい」と吐露した。

後半もずるずる落としてもおかしくない展開だったが、イーブンで踏みとどまったことで首位との差は3打と、最終日に逆転も可能な位置で終えた。「明日またいいスコアを出せれば…引きずっていてもしかたないので、これからしっかり調整します」。2日目、3日目のスコアを見て急遽、実家の山口県からコーチでもある父・誠一さんが駆け付けてくれることになったのは心強い。

通算5勝の羽川豊以来、日本人レフティ32年ぶり優勝の可能性は残っている。「(夕方の父との)練習を明日につなげられれば」。3日目の経験を最終日に活かしたい。(文・小高拓)

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