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「山あり谷ありだけど、右肩上がりの波形でいたい」34歳の誕生日を迎えた石川遼が思うこと

34歳の誕生日を迎えた石川遼。特別な感情を持たず、いつも通りティオフを迎えるつもりだ。

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2025年9月17日 18時24分

<ANAオープン 事前情報◇17日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>

本日9月17日は石川遼の誕生日。今年で34歳を迎えた。今大会には14回目の出場となるが、開催週に年を重ねたのは11回目。毎年のように石川のバースデーウィークと重なる。かつては大会側が誕生日ケーキを用意してお祝いすることもあったが、プロアマが行われたこの日はラウンド、練習をこなし、夜も特別なイベントの予定もなく、普段通り本番を迎える。

【写真】愛用のほうきを振り回す石川遼

「34歳の抱負…特にないんですよね。特に意識もないので、33歳のときと34歳の時で気持ちは変わらない。日々、少しでも成長していくっていうことを心がけたいです」

1歳年を重ねたからといって、ゴルフにおいて何かが変わることはないし、6年前からコツコツとスイング固めをする目標が大きく変わるわけでもない。「長いキャリアの中では山あり谷ありだと思う。短いスパンで見たら、きのうときょうで山があったり、谷があったりする。ただ、長いスパンで見た時に少しでも右肩上がりの波形にしていきたいですね」。谷の時に波形が大きく下がるのではなく、右肩上がりの中で山と谷がある。つまり、“ゴルフ力”が底上げされた中で浮き沈みがあることが理想だ。

今季の初トップ10入りは10位タイに入った2戦前の「ロピア フジサンケイクラシック」。シーズン11試合目での初トップ10入りは、キャリアで最遅だった。「自分では『そんなはずはないでしょう』って思っていたんですけど、本当に(トップ10入りが)なくて。それぐらい悪いとは思っていなかったし、今も思っていないですね」。

初日首位発進が2度あり、たびたびリーダーボードの上位に名を連ねたが、結果としてトップ10に入っていない試合が続いた。しかし、自身では長いスパンでの波形として下がっている感覚はない。

7月の「リシャール・ミルチャリティ」は広いとは言えないコースだったが、ドライバーで思い通りのショットが打てる回数が増えた。「5~6年はとにかく長いクラブに課題をもってやってきて、そこが本当に良くなり、ベースとしてすごく大きな収穫だった」と振り返る。

さらに「100ヤードからの距離感。今まで2~3ヤードのブレですんでいたのが、5~6ヤードになった瞬間、一気にスコアに直結する。自分のデータ的には強かった部分を、もう一度合わせていけるように取り組んでいる」。今までストロングポイントだった100ヤード以内の精度が落ちているという課題が見つかった。

これまで練習量の9割はロングゲームだったが、成果が出てきたこともあり、練習の時間配分を見直した。最近は100ヤード以内、ショートゲームの時間を増やしている。「練習量の配分がようやく落ち着いてきました。配分を変えた瞬間に次の日から思い通りになる、という世界ではないので、実際に試合で反映されてくるまでは我慢の時間かなと思います。ゆっくり待ちながら、気を抜かずに手も抜かずに。コツコツ積み重ねていきたい」。全体の底上げを図りながら、ロングゲームのように成果が出てかみ合う日を待つ。

あすは34歳として初ラウンドを迎えるが、先を見据えてコツコツと、この6年間と変わりなくティオフする。(文・小高拓)

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