<日本オープン 最終日◇13日◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇7251ヤード・パー70>
男子ゴルフの日本一決定戦は最終日を迎えている。3日間を終えて、トータル3アンダーの木下稜介、池村寛世が首位に並んでいる。予選カットラインはトータル8オーバーと今年最多のスコアを記録。最終日にトータルアンダーパーで進んだのはたった5人だ。
今大会のコースセッティングは、長さ15ミリで深いところだと20センチを超えるラフ、決して広いとはいえないフェアウェイ、ホールの半分以上がドッグレッグのレイアウト、傾斜が多くアンジュレーションの効いたグリーンなど難所が満載で、選手たちを苦しめている。「フェアウェイを外せば、1打ペナルティ」と選手たちが口をそろえる。ティショットの落としどころ、グリーンも載せる位置が重要となり、すなわち極限のショット力が試される戦いになっている。
バーディを獲るよりもボギーをどれだけ少なくおさえるかが、今回のカギとなり、アンダーパーで回った選手は初日7人、2日目6人、3日目4人と各日10人に満たない状況。日に日にコンディションも難易度が増し、大会初優勝を狙う石川遼は「日本オープンだからわからない」と8打差逆転を狙っている。
トータルオーバーパーでの優勝も考えられる今大会。過去の記録を見てみると、最多スコアVは1999年大会(北海道、小樽GC、7200ヤード・パー72)で、トータル10オーバーの尾崎直道。最近の記録では、2019年大会(福岡県、古賀GC、6817ヤード、パー71)で最終日に8打差を逆転したチャン・キム(韓国)のトータル1オーバーとなる。
もちろんバーディ量産のゴルフは見ていて楽しいが、とことんガマンの展開もしびれること間違いなし。選手の健闘を祈りたい。(文・高木彩音)