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男子ツアーを揺るがすプロアマ問題に対する“選手の目” 独特の文化に求められた常識【記者の目】

男子ツアーを揺るがすプロアマ問題に対する“選手の目” 独特の文化に求められた常識【記者の目】

配信日時:2018年6月27日 12時00分

トーナメントは、スポンサーが資金を出し、それをもとに賞金提供や大会運営が行われる。それだけに、今回の問題はツアーにとって忌々(ゆゆ)しき問題となった。青木功がJGTO会長に就任した2016年以降は、「プロアマ戦」というものに対する考え方がより明確なものになった。それは「プロアマ戦は練習ラウンドではない」というものだ。そのさなかに起きてしまった問題なだけに、選手達の戸惑いもひとしおだ。

今回話を聞くなかで、多くの選手の言葉で共通していたのが、「一言」の重要性だった。長くツアーで活躍する選手の一人は、「気遣いの一言があれば、こんなことにはならなかったのでは」と問題を両断した。この選手はプロアマに臨む前に、一緒にラウンドする人の名刺は見ないようにしているという。その理由は、「参加者を肩書で判断しない。社長、部長に関わらず、プロアマでは、同じゲスト。同じように気を回せるようにするため」というものだ。その気持ちで臨むと、「声をかけてラウンドしていると、向こうから『プロ、練習してください』と言ってくれることもある」。

また別の選手も、「ゲストも理解がある人が多い。合間に『練習してください』と言ってくれる方も少なくない。気持ちがあれば、僕は過剰に『おもてなし』をしたり、ペコペコする必要はないと思う」と語る。また、年間に数試合のプロアマに参加するアマチュアの話も聞いたのだが、「挨拶とかレッスン、プロとの会話があれば、『練習してもいいですか?』と言われても誰も文句は言わないと思う。その前段がないから、こんな問題になったのでは」と指摘した。“魚心あれば水心”。ある種、独特な文化ともいえるプロアマにおける問題が表出した原因は、ごく当たり前の感覚の欠如だったのかもしれない。

プロアマに関しては試合前日に開催されるという慣例など、仕組みの部分で考えるべき点も残されているのかもしれない。しかし、今回についてはJGTOの自浄能力が試されることになる。片山自身が何を語るのか。また同席する青木会長はじめ、団体がくだす決断は? “ホスピタリティ”という言葉が取り沙汰された問題に、一つの区切りがつく日となる。(文・間宮輝憲)

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