ドライバーのキャリーはトラックマンの計測で310ヤードという蝉川のコンセプトは、「左に行かないドライバーを自分でしっかり振って真っすぐ飛ばす」。9度のヘッドのロフトを1度立てて8度にし、ライ角は3度フラットにして逃げ顔に。通常のヘッドスピードが52〜53m/sの蝉川がしっかり振らないと、つかまらない仕様になっている。
ヘッドスピード49m/sの塩谷氏にして「私も打ちましたが、右にスッポ抜けてよくわらかない球が出ました」というハードすぎるスペック。シャフトのフレックスもTX(ダブルエックス相当)と硬いため、ヘッドスピード40m/s前後の一般ゴルファーではまず球は上がらないし、真っすぐ飛ばすこともできないだろう。
■飛び重視の3番アイアンはグリーン周りでも使う
アイアンに目を移すと、3番アイアンは中空構造の『i525』、4番からPWはマッスルバックの『BLUEPRINT』(ブループリント)を入れている。「基本的にはアイアンが得意。彼の場合はドライバーと3番ウッドが飛ぶので、3番アイアンは飛距離を求めています。キャリーで250〜260ヤードくらい出ますね」と塩谷氏はいう。
その3番アイアンは飛ばすだけでなく、グリーン周りでも活躍する。大会を通して平均スコアが4.746と最も難しかった距離の長い12番パー4。最終日に蝉川はセカンドショットをグリーン奥にこぼしたが、3番アイアンで50センチに寄せ、パーでしのいでいる。