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シニアが習得すべき、体に優しいボディターン。三好輝プロの「ブランコドリル」

元日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロ、現在アメリカの日本食レストランチェーンCEO。異色の経歴を持つTOSHI HIRATAが30年のレッスン経験の集大成を語る。超DEEPな骨太スイング論をアメリカからお届け!

配信日時:2017年5月22日 18時07分

体の硬くなったシニアは、ハンマー投げの室伏広治選手のように左カカトを中心に回転すればいい!
体の硬くなったシニアは、ハンマー投げの室伏広治選手のように左カカトを中心に回転すればいい!

飛距離が落ちた私に、妻から傷つく一言。「おっさんスイングみたい」で一念発起!

前回は体に優しいボディターンの序章として、ハンマー投げの室伏広治選手を例に、左カカトを軸にターンすれば体に優しいことを説明しましたね。今回のレッスンは、多くのアマチュアの皆さんが苦手とする下半身始動。それをプロ感覚で体験出来る画期的なドリルを紹介しますが、その前に前回のレッスン”カカト軸ターン”について、私の例も含めてもう少しお話します。

私は現在60歳を越えていますが、体のターンがきつくなったのを自覚し始めたのは50歳を越えた頃でした。この頃から年々ドライバーの飛距離が落ち始め、55歳を越えた頃には4、50ヤード近く落ちてしまいました。どうしても250ヤードを越えなくなってしまったのです。

現役当時は左足スクワット、倒立による腕立て伏せと、腕力や脚力には自信がありましたが、それもまった出来なくなり、飛ばないのも必然だと考えていました。そんなある日、家族でラウンドしているときに、Wifeから「パパも歳やね〜。おっさんスイングみたいに前に突っ込んでるよ〜。かっこ悪い〜」と一言……。

「おっさんスイング」

この響きに私は心底傷つきました。ビデオを撮ってみると確かにインパクト以降で前に突っ込んでいる。以前なら体の柔軟性で回転していたのが出来なくなり、体が突っ込むことでエナジーを逃がして腰をかばっていたのです。私は衰えた体を鍛え直すのではなく、クラブに頼りました。

当時の原稿です。
https://blogs.yahoo.co.jp/golfkid/60027892.html?type=folderlist

しかし、この付け焼き刃の対処は大きな弊害を生みました。軽量クラブ、長尺ドライバーはドラコンには良いけれど、私のスイングを根幹から変えてしまい、アイアンショットに悪影響を与えたのです。

長尺シャフトを初めて使用すると、必ずといっていいほど球は右に出ます。それを避けるためにはラグ(ため)を少なくし、ゆったりと大きな弧を描く必要が出てきました。

もちろん、意識としてはインパクトで体を止める感覚が必要でした。つまり、手打ち感覚ですね……。体を先行させればプッシュアウトが多発したからです。スイングは壊れ、アイアンショットまで悪影響を受けました。そして、肝心のスイングは以前に増して醜くなったのです。

私はスイングの再構築に向かいました。しかし、固くなってしまった背筋や下半身とどう向き合うのか? そんなとき、偶然目に入ったのが室伏広治選手のハンマー投げでした。

左カカト軸で回転していく彼の映像から「ゴルフに取り入れられるのではないか?」「新しい理論に繋がるのではないか?」と思い巡らしたのですが、それは徒労に終わります。既に一部のPGAツアー選手がそういった動きを取り入れていたからで、理論化の必要はなかったのです。

早速この打法に切り変えた私は「大きなフィニッシュ」を目指しました。そして半年後、動画の中で以前よりもフィニッシュが大きくなった自分を発見しました。

当然ですね。体に無理のない"カカト軸ターン"でのスイングは、毎日のようにストレッチングを欠かさない準備運動になっていたのです。つまりコースや練習場でのスイング自体が日々のストレッチングだったということですね。

「再び300ヤードを取り戻せるかもしれない!」60歳を真近にそんな大それたことまで思うようになったのです。現在、実現には至っておりませんが、トーナメントレベルの締まったフェアウェイなら到達出来るようになりました。

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