永峰咲希はドライバーもヘソ下で振る【連続写真】
「初日は調子がよくて首位で終えましたが、2日目はショットがバラバラになってしまいました。でも何が悪かったのか、ラウンド中に気づくことができました。きっかけは同じ組で回っていた成田美寿々さんのスイングでした。風に負けず、しっかり打てていたんです」
成田のスイングを間近に見ていて、体で振っているつもりでも手先でクラブを振り上げる悪いクセが出ていることに気づいたのだという。
「ハッとして、おなかにクッと力を入れてバックスイングするようにしました。意識したのはそれだけです。自然に体幹に力が入り、体の正面でボールをとらえることができるようになりました」
永峰がクッと力を入れるのはヘソの少し下。少しおなかをへこますように構えると力が入りやすい。
「例年は開幕前の合宿で芝から1日300球ほど打ち込んでいましたが、古閑美保さんからアドバイスをもらったんです。『マットからならもっと球数を打てる。ちゃんと効果がある』と。そこでシーズン開幕前に1日700球ほどマットから打ち込んで、スイングを固めました。そのおかげかもしれません」
マットからの打ち込みはソールが滑って当たってくれるので、ヘタを固めることもある。だがヘッドの入りが安定しているのなら、手首を痛めることがないので球数を打てるのだ。毎日700球を打つのは簡単なことではない。だが700球も打っていれば腹筋だって強くなるし、ヘソ下にクッと力を入れて体幹で振る動きも身に付くだろう。こうした地道な努力が初優勝の栄冠を永峰にもたらしたのは、疑いのないところだ。(2018年取材)
