植竹希望がリモート取材でスイングをセルフ解説
体を三等分し、真ん中だけ行かせて上と下は残す
植竹 私はいつも、体を胸の下のところと、スカートのすその上で仕切って“三等分”してスイングを考えているんですけども、インパクト時はその真ん中のゾーンだけしっかり回したい。そして、上と下のラインはできるだけ飛球線と平行にしたい。アドレスの肩のラインに出してあげれば絶対に曲がらないはずなんですよ。
――確かに肩のラインにボールが出るって言いますよね。
植竹 私がショットで一番重要視しているのが出球なんです。試合の前の練習では、ドローを打つときにどれだけ右に打ち出せるか、フェードを打つときにどれだけ左に打ち出せるかを考えていて、特に大事なのが体を三等分したときの肩のラインと足のライン。上と下だけ合っていれば、真ん中のゾーンはいくら捻っていてもいいという考えです。アドレスに関しても全部平行にする必要はないと思います。
――三等分して真ん中だけ回すっていう理論は面白いですね。
植竹 真ん中だけ行くけど、上と下は残すみたいな感じ。完全に我流です。去年も6月にツアーが開幕する前は、お客さんにレッスンをしていたんですけど、三等分のイメージを理解してもらってから、「飛距離も伸びたしパーオン率も上がった」って言ったくれた人がいて、意外と良いのかもしれないと思っています(笑)。
肩はタテ、腰はヨコ回転させないと真っすぐ飛ばない
植竹 ゴルフのレッスンで「肩をヨコに回す」って教えている人がいますけど、あれは私は嘘だと思っています。上は違う動きをしないと絶対に真っすぐ飛ばないし、ドローもフェードもどっちも打てない。上はタテの回旋で、真ん中はヨコに回さないと、球の打ち分けはできないというのが私の考えです。
――植竹プロのインパクトを見ると、アコーディオンみたいに右ワキが縮む側屈がすごい。これで肩がタテに回るから上体が開かないんですね。では、三等分した一番下のゾーンはどういうイメージで動かしているんですか?
ダウンスイングでは、右ツマ先重心で右ヒザを前に出さない
――どういうことですか?
植竹 この形で左足に体重が乗りすぎていると、緩んで右ヒザが前に出ちゃうんです。右ツマ先に重心があるから右ヒザが前に出ないですんでいる。右の股関節にすごく意識があって、ここからインパクトに向かって、一気に右脚を伸ばしていきます。
――なるほど。インパクトのポイントについては、また次回でお願いいたします。
(続く)
うえたけ・のぞみ 1998年7月29日生まれ。東京都出身。身長170センチ。“希望”と書いて“のぞみ”と読む名前の由来は、87年公開の中山美穂主演のドラマ「おヒマなら来てよネ!」の主人公、佐竹希望から。お父さんが中山美穂のファンだったため、男の子だったら希望と書いて“のぞむ”になる予定だった。その女子プロ離れした鋭い切り返しと深いタメは、「ジョン・ラームさんとセルヒオ・ガルシアさんを半々にした感じってよくいわれます。でもスイングの見た目が一番好きなのはザンダー・シャウフェレさんなんです」と本人は語る。その3人のほかには、タイガー・ウッズやジャスティン・トーマス、アダム・スコットなど、米ツアーのトッププロたちのスイング動画を研究して、独学でスイングを作り上げた。
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