第3回:インパクトゾーンを真っすぐにしてみよう!
取材・構成 山西英希 取材協力:北谷津ゴルフガーデン(千葉県)
クラブの通り道は平面ではなく空間だと考えよう
「ダウンスイングでは、クラブをボールの上からダウンブローの軌道で下ろすため、ヘッドが低い位置から下りてくるわけではありません。仮にスティックを2本置いただけだと、実際はアウトサイドやインサイドからクラブが下りてきていても気づかずに、インパクトゾーンが真っすぐになっていると勘違いしがちです。それを防ぐために、ボールのスリーブの箱やティペッグを利用します」
稲見が行うドリルは、自分が打つボールの右斜め上にボールを2個並べ、さらにその右にスリーブの箱を立てて置く。右斜め下にはティペッグを刺す。さらに、左斜め下にはボールを1個置く。確かに、これだとヘッドをインサイドから下ろしてきるとティペッグに、アウトサイドから下ろしてくるとスリーブの箱に当たるので、自分の軌道がすぐに分かる。
左手1本のハーフショットから始める
「テークバックの軌道とインパクトゾーンでのヘッドの通り道を確認するのが目的です。素早く打つ必要はないので、ゆったりとしたリズムで右腰から左腰までの振り幅で打ちましょう」
3球ほど打てば十分だが、注意点は振り幅を大きくしないこと。左手に負担がかかり、腕を痛めてしまうからだ。また、振り幅が大きくなれば、それだけ軌道にブレが生じるため、ヘッドの正しい動きを確認しづらくなる。
「ボールやスリーブの箱、ティペッグにヘッドが当たらないことを確認したら、クラブを両手で持ち、ハーフショットを行なってから通常のショットを行ないます」
インパクトゾーンを真っすぐにする自信がなければ、もっと小さい振り幅から始め、徐々にスイング幅を大きくしていけばいい。
左腰の高さまで振り抜く
インパクト後もハンドファーストの形は崩さない
「インパクト後もハンドファーストの形が崩れなければ、ボールとクラブフェースがコンタクトする時間も長くなり、インパクトゾーンが真っすぐになります。ただし、無理にヘッドでボールを押すイメージは持たないこと。あくまでも腕を伸ばしていく過程でハンドファーストの形を崩さないだけです」
ヘッドをずっと目標方向に出していくと、上体も前に突っ込んでしまうので要注意。ヘッドが左足の前を過ぎたら、体の回転に伴い、自然とフェースが返るのが正解だ。
稲見萌寧(いなみ・もね)
1999年7月29日生まれ、東京都出身。ツアー1勝。昨年の「センチュリー21レディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝を飾る。賞金ランキング13位に入り、初シードを獲得。正確無比なアイアンショットはプロの間でも評価が高い。今季は出場する全試合で優勝を目指す。都築電機所属。