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左足上がり、下がりの上手な打ち方は? 「基本は左足重心で構える」  傾斜によって同じ番手でも飛距離が変わる【教えて、蟬川先生!】

2022年に史上初となるアマチュア2勝を挙げ、国内男子ツアー通算5勝を誇る蟬川泰果。“年間王者”を目指す今季は、国内男子ツアーを代表する存在の一人になることは間違いない。そんな蟬川にワンランク上のレベルを目指すアマチュアが参考になるテクニックを取材。今回は『傾斜の打ち方』について聞いた。

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2026年3月2日 12時30分

蟬川泰果が傾斜の打ち方について教えてくれた
蟬川泰果が傾斜の打ち方について教えてくれた (撮影:佐々木啓)

2022年に史上初となるアマチュア2勝を挙げ、国内男子ツアー通算5勝を誇る蟬川泰果。“年間王者”を目指す今季は、国内男子ツアーを代表する存在の一人になることは間違いない。そんな蟬川にワンランク上のレベルを目指すアマチュアが参考になるテクニックを取材。今回は『傾斜の打ち方』について聞いた。(取材・文/髙木彩音)

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多くのゴルファーが苦手意識を持つ、傾斜地からのショット。練習場や平地と同じように振るとミスをして、その経験が不安をさらに大きくさせる。それでも、起伏に富んだコースでは、避けて通れず、必ず直面する場面だ。蝉川でも「いろいろありすぎて、悩んでいるところではありますね」というほどだ。

蟬川泰果も悩む、傾斜の打ち方で注意するポイントとは?

蟬川泰果も悩む、傾斜の打ち方で注意するポイントとは? (撮影:佐々木啓)

■左足上がりも左足重心の方がミート率は上がる


今回聞いたのは左足上がりと左足下がりの傾斜地について。まずはアドレスがポイントだ。一般的に「傾斜と平行に構える」や「斜面なりに立って体重がかかりやすいほうに重心を置く」という教えがある。左足下がりなら左足に、左足上がりなら右足に体重がかかりやすく、体重がかかる方に重心を置くというものだ。

しかし、蝉川は「傾斜地では飛距離を抑える時も、基本的に左足重心にしています」と話す。「左足上がりですごく急な斜面だったら(右足重心では)打ちにくいですよね。そういうことを考えると、(飛距離を抑えなくても)左足重心のほうが打ちやすいと思います」

左足上がりの急斜面で地面と平行に右足重心で立つと、「(ヘッドが)滑ってくれるので、ダフリとかは助けてくれるとは思うんですけど…」とメリットもあるが、打つときに右に重心が偏りすぎてバランスを崩しやすい。クラブがインサイドから入りすぎたり、ヘッドの最下点がボールよりも後ろになりやすい。ボールにしっかりヒットするためにも「基本は左足にちょっと体重を乗せていたほうがいいと思います」とミート率を高める左足重心をオススメする。

一方で、左足下がりのときは、もちろん「左足重心」ではあるが、「右足もちゃんと(地面に)ついている感覚はあって、浮いている感覚はないです。どちらの足もベタっと(地面に)ついています」。左足を軸にするが、すべての体重を左足に乗せようとしないことがポイントだ。

■素振りをしてバランスよく振れるスイング幅を確認する


左足上がり&下がりで多いミスは、傾斜で下半身がうまく使えず手先だけで合わせにいったり、上体が起き上がったり、バランスを崩したり…。ミスを恐れて「最後まで振り切れない」シーンが多いと指摘する。

そうすると、“当てて終わり”になりやすいため、フェースの向きが変わりやすく、思いもよらない方向にボールが飛んでいきがちだ。だからこそ、打つ前にその傾斜地で素振りをし、バランスよく振れるスイング幅を確認して、素振りと同じように「しっかり振ること」を意識していけると、多少の曲がりは抑えられる。

■傾斜によって飛距離が変わる! 番手選びはしっかり考えたよう


左足上がり&下がりは、平地よりも飛距離が変わりやすいのをご存じでしょうか。「左足下がりは絶対に普段より飛距離が出ると思ってほしいです。PW、9番、8番などロフトがあるクラブは、ロフトが立って当たるので、普段より弾道は低くなるけど、飛びやすくなります」

左足下がりは傾斜に沿って左足重心で構えるため、ハンドファーストの度合いが強くなり、クラブの入射角が鋭角になりやすい。そのためロフトが立って当たり、打ち出し角が低くなってスピン量が減る。ランも増えるため、キャリーの距離は出なくなるが総距離は飛ぶということだ。左足下がりの傾斜では、普段の使用するクラブより1番手下げることで距離感が合いやすくなる。

逆に左足上がりは「飛ばなくなる」。理屈的には、左足下がりの状況と逆の考え方となる。左足重心とはいえ体が右に傾きやすく、フェースは上に向きやすい。クラブの入射角がレベルになってロフトが寝た状態になるので、普段の飛距離よりも落ちるということだ。

左足上がりは普段よりも1番手上のクラブを持てば距離的には問題ない。「それでも(ライの関係で)上の番手を持ちたくない場合は、少しショートをする覚悟で、打ちたい距離にピッタリのクラブで、しっかり振るのもありです」という。「ピンが手前で、奥が広い場合だったら、少し大きめの番手で抑えても、そんなに飛びすぎることはないと思ってください」。長いクラブを振ることに抵抗があれば、ショートする覚悟でクラブ選びをしてみよう。

こういった重心位置、傾斜によって変動する飛距離に応じた番手選びなどを意識して、傾斜からの大きなミスを減らしていきたい。次のラウンドでぜひ、試してみてほしい。

■蟬川泰果
せみかわ・たいが/2001年1月11日生まれ、兵庫県出身。2022年に史上初のアマ2勝を遂げる。同年にプロ転向後の4年間で安定した成績を残している。平均ストロークは常にトップ10をキープ。フル参戦1年目の2023年は『69.885』(3位)、24年は『70.693』(9位)、そして25年は『70.047』(1位)と、国内男子界でも屈指のスタッツを誇る。勝負強さに加え、数字が示す通り高度な技術力を備えた選手だ。

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