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    タイガーも使う!アイアンはクロム鋼フェースがいい

    アイアンの素材といえば「軟鉄」か「ステンレス」が定番だが、最近では「クロム鋼」をフェースに使ったモデルが出てきている。その良さは何なのか、調べてみた。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2023年8月9日 02時57分

    • ギア
    • アイアン
    こだわりの強いタイガーもクロモリ鋼のアイアンを4番で使用(撮影:Getty Images)
    こだわりの強いタイガーもクロモリ鋼のアイアンを4番で使用(撮影:Getty Images)
    • テーラーメイドP770は球の上がりやすさと操作性を合わせ持つ中空アイアン。ロフト角は7番で33度
    • クロム鋼をフェースに使ったアイアンは、たわむフェースが作れて、初速&高さが出せる
    • メルセデスランキング首位の山下美夢有はクロムバナジウム鋼のアイアンを使用(撮影:Getty Images)
    • スリクソンZX5 MkⅡはV字ソールで振り抜きの良さが抜群のキャビティ。ロフト角は7番で31度
    • プロギアPRGR05はつかまった高弾道でキャリーが伸びる。ロフト角は7番で29度
    • ミズノJPX923ホットメタルはサイドスピンの少ないストレートボールが打てる。ロフト角は7番で28.5度
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    タイガーが昨年から4番アイアンで使っているテーラーメイドのP770はクロムモリブデン鋼、日本では女王・山下美夢有が使うスリクソンZX5 MkⅡにはクロムバナジウム鋼がフェースに使われている。クロム鋼をフェースに使うメリットは何だろうか。

    この素材を使ったアイアンを打ったギアコーチの筒康博はこう話す。「かつて軟鉄以外の素材は、飛ぶけど打感が硬いと言われていました。しかしクロム鋼を使った素材では強烈に弾くフェースでボール初速を出しつつ、グッと押すようなフィーリングも備わっています」。金属の素材に精通するティーチングプロの追分浩一は「軟鉄やステンレスにはない“靭性”、つまり粘り強さを持っているのがクロム鋼なんです。高い衝撃吸収性があるので薄くたわむフェースが作れるというわけです」。
     
    クロム鋼由来のフェースを採用したアイアンは、どれも反発性能が高く、爽快なフィーリングが得られる「たわむフェース」になっている。そのためヘッドサイズや構造に関わらず、高い飛距離性能と芯の広さを備えている。「通常、プロが使うコンパクトなモデルは芯が狭く、パワーがないと飛ばせませんが、クロム鋼のフェースを搭載することでシャープなヘッドのまま一定のやさしさを持たせることが可能になるのです」(筒コーチ)。
     
    では、クロム鋼をフェースに使った代表的なモデルを4つ紹介しよう。
    ①   テーラーメイドP770アイアン
    見た目はコンパクトで非常にシャープなプロモデルだが、中空構造で見た目以上に弾きが強く、打つとやさしさを感じる。タイガーも4番アイアンを入れたりしている。フェースにはクロムモリブデン鋼を採用。
    ②   スリクソンZX5 MkⅡ
    フェースの弾きが非常に爽快で、高い球でぐんぐん前に伸びていく。プロモデルにしてはやや大きめのヘッドで構えたときに安心感もある。山下美夢有が使用。フェースにはクロムバナジウム鋼を採用。
    ③   プロギアPRGR05
    オートマチックに安定したボールが打てる構造のヘッドに、弾きの強いニッケルクロムモリブデン鋼のフェースがしっかりマッチしている。まるでユーティリティのようにやさしく飛ばせる。
    ④   ミズノJPX923ホットメタル
    周辺に重量配分することでヘッドの直進性を高めている。ロフトが立ったモデルだが、しっかりスピンは入ってめくれる球がやさしく打てる。フェースにはニッケルクロムモリブデン鋼を採用。
     
    P770やZX5 MkⅡは、今までアスリートモデルは難しいと敬遠していた人でも十分使える可能性があるアイアンだ。PRGR05やJPX923ホットメタルは、キャビティ構造のモデルでやさしさと飛びを両立している。高性能なクロム鋼によって多くのゴルファーにアイアンの選択肢が増えたことは間違いない。

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