「マトリックスはしなり量が多すぎた。左を消せると、右へのミスも減る」(平田&筒)
平田 「いやいや。重くて柔らかいマトリックス『TPHDe』で出ていた右に出る球筋が改善されるはずです。『オレンジ』はタイガーが以前使用していた『ホワイト』よりもロートルク(2.8)で、先端にタングステンを採用、左への打球を防ぐのがまず目的でしょう。でも、左へのミスが減れば右へのミスも減りますから」
筒 「すっごく同感です。マトリックス『TPHDe』は、タイガーにはそもそもしなり量が多すぎたんだと思いますよ。長岡さん、タイガーのスタッツ的にはどうなっているんですか?」
筒 「長岡さん、はっきり言って右にも左にも曲がっているというのは、一番始末に悪くて対応ができない状態なんです。プロにとって。これをどう読み解くか?というと、マトリックス『TPHDe』はヘッドスピードの上がっているタイガーにとって、しなり量が多すぎて左にいきやすい。そして、左にいきたくないから嫌がって右にいく。これが右のミスの方が多く出ている証拠だと思います。
上級者がなぜ左へのミスを嫌うか?というのはここに理由があるんです。左へのミスを消すことができれば、そういった左を嫌がった反応での右へのミスが減り、思い切り振っていくことができます。そうすれば、ミスは右方向だけに集約されてくるので、コースへのライン取りもはっきりするし、ミスの範囲が狭くなってくるので安定するんです。だから、『テンセイオレンジ』への移行は大正解でしょう」
「ドローが有利なのではなく、左に曲げないのが鉄則」(平田&筒)
でも、左に大きく曲げると取り返しがつかないミスになります。例えば13番のロングが顕著ですが、右にややプッシュして抜ける分にはリカバーできますが、左に曲げてブッシュに入ると出すだけでボギー以上が確定してしまいます。マスターズでは、右打ちのプッシュは許容範囲なんですよ」
それによって思い切り振れますし、低スピンなので結果的には飛距離も伸びるでしょう。ちょっと抑えて振るとシャフトが勝ってストレートフェード傾向、しっかり振りにいくとストレートドロー。マン振りしても左に曲がることはないでしょう。『ホワイト』よりも『オレンジ』の方がロースピンで左に行かないなことが剛性分布で明らかですから」
筆者 「ホントにぃ〜???さっきから、大正解、大正解だと断言しすぎでしょ!」