「ティショットとパターの調子は必ず連動する」(筒)
平田 「いや、それはありませんね。小川がサイドに流れるホールはありますけど、13番とか…」
筒 「では、基本ランディング場所は平らか下り斜面ということになりますね?なぜドライバーよりも高いキャリーボールが必要なんですか?」
筆者 「……。(極論ばっかりでキケンだなぁ…)」
筒 「それに、マスターズで最も大事なのはデリケートなパッティングです。完璧に打ってもカップに蹴られたり、ガラスのような速さで神経をすり減らします。例えば、3パットしたすぐ後のティショットはどうなると思いますか?」
平田 「まぁ、取り戻そうとはしますよね。ホールごとの切り替えは意識していても、無意識のうちに多少は…」
筆者 「はなからドライバーがないせいで、強振も避けられると言いたいんですか?ボクはスプーンしか入ってなくても強振しますよ?」
筒 「ド下手なレベルの話しはしてません。トップレベルでも、ミスパットした後はなかなか気持ちの切り替えって難しいと思うんです。全世界のプロゴルファーが憧れるタイトルだからこそ、パットの次のティショットに影響が大きい。それでいて、ティショットの精度と短いパッティングの精度が問われるコースセッティングなんです。スプーンが250ヤードしか飛ばない選手ならいざ知らず、飛距離が戻り、これだけアイアンショットやアプローチに冴えを取り戻してきたタイガーだからこそ、ティショットをミスなく、パッティングだけに専念できる環境をつくった方が復活につながると思います。極論かもしれませんが…」
「タイガーは『M3 460』ドライバーを絶対に替えないはず」(平田)
筆者 「同感です。平田さん、タイガーは現に筒さんが言うように、『M3 460』のウェイトポジションが日替わりだと思うのですが、『M3 440』に替える可能性もあると思いませんか?」
筆者 「……。(平田さん、自分でSS測ったんだ…。言ってくれたらPCMラボに全部データあるのに…)でも、タイガーって元々ヒールヒッターじゃなかったかなぁ…。トゥに打点を外しますかね?」
平田 「長岡さんはまだ『M3 460』を所有していないんでしょう?既に10ラウンド以上している私は断言できますが、これは芯に当ってしまうモデルです。高打ち出しで低スピンのズドーンとした棒球で、球がねじれない。本当に不思議なんですが、トゥやヒールに外すという話し自体がナンセンスだと感じますね。長岡さんみたいなアマチュアの話しじゃないんですから」
筆者 「……。(そらそうよ…)」
筒 「平田さん、棒球と言いますよね。そこで言うと、タイガーは昔からドローやフェード、弾道の高低をその場に応じてコントロールするタイプです。その好みが変わるといいなぁと思うんですよね。現代のクラブとボールでは球をねじる必要性がないというか。そこがタイガー本人が変われないのであれば、それこそ、飛ぶFWという選択肢の方がウェイトポジションを探すより手っ取り早いと思います。タイガーの耳には届かないでしょうけど…」
筆者 「……。(こんなキケンな提案、届いてたまるか!)」
「タイガーは観るものを熱狂させる。同じことを出来るプロが何人いる?」(平田)
先週優勝したフィル・ミケルソンもそうですが、18ホールの中にも72ホールの中にもドラマがありますよね。狙ってピンチを作るわけではないですが、結果的にドラマティックで魅せられてしまう。ステディなプレーをするだけの選手は山ほどいますが、タイガーのスーパースターたる所以はそこにあると感じます。だからこそ、筒さんのダブルスプーンという提案に疑問を感じてしまいます」
筆者 「分かるなぁ〜。タイガーが復活したと感じるのは、ただ単にプレーできたとか、ヘッドスピードが戻ったとか、いいスコアが出たとか、そんな話しじゃないですからね。タイガーらしさが戻ったことこそ、本当の意味でファンが求めていたことだと思います」
筒 「そういう意味で言うなら、もうマスターズに勝たなくても、復活してますね。こんなにも我々ゴルファーに興奮を与えてくれるんですから。わずか1試合ですよ?」
筆者 「いやぁ〜、本当に嬉しいですね。仕事柄、プロゴルファーのプレーを普段から生でもTVでも見ますが、観ているだけでワクワクするタイガーこそ、本当の意味でのスーパースターだと感じますね!もう、よく観てなきゃ、次の瞬間に何を起こすか分からないので。今日も勝てませんでしたが、眠い目をこすって正解でした!」
平田&筒 「同感です!」
Text/Mikiro Nagaoka