ミズノが2022年9月16日に発売するアイアンが『JPX 923 HOT METAL PRO アイアン』です。“ニッケルクロモリの新たな飛び性能　JPX 923 HOT METALに操作性能を。”というコピーです。

『JPX 923 アイアン』は、今回のモデルチェンジで、5機種が出ます。『JPX 923 HOT METAL アイアン』、『JPX 923 HOT METAL PRO アイアン』、『JPX 923 HOT METAL HL アイアン』、『JPX 923 FORGED アイアン』、『JPX 923 TOUR アイアン』です。

『JPX』は、海外メジャーでも優勝者使用アイアンになり、2021年から2022年の国内ツアーで14勝という強烈な実績を考えると、現在では、ミズノの看板ブランドです。

2年振りのモデルチェンジで、『HOT METAL』は、コピーにある通り、新素材ヘッドになります。今回取り上げる『JPX 923 HOT METAL PRO アイアン』は、三兄弟（『HOT METAL』は3機種あります）の中で、最上位機種になります。なんといっても、『PRO』という名称は、ミズノのクラブにとって特別なものです。

最新のヘッドの素材は「ニッケルクロムモリブデン鋼」です。現在のアイアンの主流になりつつある素材の「クロムモリブデン鋼」よりも強度が約35％も増しています。航空機で消耗が激しい重要部分に使用されている素材です。アイアンの場合、強度が増すほどフェースなどを薄くすることが可能で、高反発性能の向上が見込めるだけではなく、ヘッドの重量配分の最適化にも貢献します。

続いての新しいテクノロジーは、バックフェースのトウ側が“V字”になっている「Vシャーシ」です。周辺重量配分の最適化とセンター重心にしやすい構造になり、打感も良く出来るそうです。

フェースだけを「カップフェース」にするのではなく、新素材でヘッド全てを作り込んだことで「シームレスカップフェース構造」が可能になりました。溶接なし、というところがミソのようです。

「番手罰設計」は、ロングアイアンは低重心で上がりやすく、ミドル〜ショートアイアンになるにつれて徐々に重心を高くフローさせて、スピンまでもコントロールすることを可能にします。

ちょっと面白いのが、兄弟モデルである『JPX 923 HOT METAL アイアン』とロフト設定が全番手同じことです。常識的に考えると、1度でも変えるのが普通です。アイアンを購入する際の基準として、ロフトを見るゴルファーは多いので、全く同じロフトだと混乱するからです。

違いは明確です。『PRO』は妥協なきプロユースなアドレスビュー、『JPX 923 HOT METAL アイアン』のほうは、本格的でありながらやさしく感じるアドレスビューを徹底しています。

『JPX 923 HOT METAL PRO アイアン』のテクノロジーは、最先端の素材に可能な限りの詰め込みを感じさせますが、ワクワクするアイアンです。試打するのが楽しみになりました。

試打した日は、曇りで、気温は20度〜26度。微風でした。使用したボールは『TOUR B X』です。

新素材を使いながら、プロユースのアイアンとして『JPX 923 HOT METAL PRO アイアン』は機能するのかを調べるつもりで試打をしました。