『KING 3D PRINTED AGERA パター』の試打は、盛り沢山すぎて、なかなか難しいものでした。パターそのものの評価をするには、長さ37.5インチという「ワンレングス仕様」に不慣れだったからです。

開き直って、長いバージョンしかないものと考えて、一緒に評価することにしました。結果として、それが良かった、と考えています。

『KING 3D PRINTED AGERA パター』は、科学的な観点で、パットをやさしくするとした場合に、現時点で出来る最大の挑戦をしたパターです。

フェースのどこに当たっても、全くブレないことには驚きました。打った感触は、どこまでも軽いという感じですが、ボールはちゃんと転がって行きます。ストレートに心強い球質です。

重さと長さから、転がりすぎることをコントロールできないのではないか？　という疑念がありました。しかし、それは全く問題にはなりませんでした。余計に転がることは一切ありませんでした。極端に書くと、振った分しか転がらないのです。しっかりと打って、距離感を出したいゴルファーには、『KING 3D PRINTED AGERA パター』はオススメです。

『KING 3D PRINTED AGERA パター』は、微妙な感性を反映した敏感な動きやタッチを全て吸収してしまうように感じました。マシーン化してパットをしたいゴルファーにとって、これは代えようがない素晴らしいパターということになります。

パターは感性で打つと考えているような僕のようなタイプのゴルファーでさえ、良く出来ていると感心しました。特にショートパットで、直進性能を上手く使い熟せれば、強い武器として機能すると感じました。3パットが多く悩んでいるゴルファーにとって、『KING 3D PRINTED AGERA パター』は3パット撲滅を用具が助けてくれると思います。しかし、1パットを増やすという命題については、使い手を選ぶというパターの宿命が明白になるパターでもあります。

『KING 3D PRINTED AGERA パター』は、ある意味で、科学的に振り切ったパターなのです。

『KING 3D PRINTED AGERA パター』

ヘッド素材　：304SS鋳造＋3D Printed ナイロン＋タングステンウェイト＋アルミニウムクラウン
フェース素材：アルミニウム
ロフト　　　：SIK 1度、2度、3度、4度
ライ角　　　：70度
長さ　　　　：37.5インチ（34インチ、アームロック41インチもあり）

ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学１年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員