『スパイダー EX パター』は、第一印象で、おもちゃみたいなパターだと感じました。よく言えば大胆にシンプル。悪く言えば雑な感じがしたからです。

打ってみると、印象は全く変わります。しっかり感もありながら、少しボケた感じがあって、それが遊びというか、やさしさに繋がっているのです。これは、ありそうで、なかなかお目にかかれない感触で、とても面白かったのです。『スパイダー EX パター』は、狙い通りに転がすことが簡単にできて、本当に驚きました。

ストロークする際に、パターのヘッドの四隅に重さがあって、ブレずに振りやすいのです。新しいフェースの弾き感が最高に心地が良く、ショートパットは、直進性能がアップして、ロングパットは許容性がアップしました。

今までスパイダーを敬遠していたゴルファーと、やさしいパターが使いたいゴルファーに『スパイダー EX パター』を使って欲しいです。

パターとしての完成度が増したことで、スパイダーが持っていたクセのようなものは少し薄まりました。個人的には、そこが素晴らしいと強く感じました。簡単に書けば、扱いやすく、やさしくなったのです。

ボールを包み込むようにパットして、ボールをコントロールできるパターが『スパイダー EX パター』です。ストレートに転がろうとするボールを上手くラインに乗せれば、パットが決まりまくる未来が見えてきます。

今までのスパイダーを使ってきたゴルファーにとって、これはちょっと、と感じてしまうのも理解できます。しかし、スパイダーの系譜は、オールマイティーな方向に進化したのです。それは王道になり得ると感じました。1発打つだけでわかるはずです。是非、試してみて欲しいです。

▼『スパイダー EX パター』ネイビー／ホワイト、ショートスラント

ヘッド　素材：アルミニウムボディ（ADC12）+ステンレススチール（303SS）+タングステン
フェース素材：ウレタン（TRU）+アルミニウムビーム
ロフト　　　：3度
ライ角　　　：70度
シャフト　　：テーラーメイド Fluted Feel スチールシャフト
長さ　　　　：34インチ（33インチもあり）

ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学１年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員