ALBA Net  ゴルフ
ALBA Net  ゴルフ

名匠ボブ・ボーケイの上司!? に日本人のための『VOKEY FORGED』を生んだウェッジ哲学を詳しく聞いた【#3】

タイトリスト『Vokey Design SM10』とは違う、日本人のための『ボーケイフォージド』について。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年7月2日 11時23分

7月4日に発売を控えるタイトリスト『ボーケイフォージド』のキーマンに取材することが出来た。それが米国アクシネット社のボーケイ担当のマーケティングディレクター、コーリー・ジェラード氏だ。なんと名匠ボブ・ボーケイの上司で、日本人のために設計した新作に関して、ボーケイ氏の3つのウェッジ哲学をエピソードを交えて説明。全3回の3回目。 
▶▶▶ 第1回はこちら ◀◀◀
▶▶▶ 第2回はこちら ◀◀◀
 
■なんと溝は100%の検品!
 
「ボーケイさんの第3のウェッジ哲学は【マキシマムスピン(スピンの最大化)】です。日本人ゴルファーのための『ボーケイフォージド』にも『SM10』と同じスピンミルドグルーヴが採用されていて、ロフト多めor少なめのロフト毎に最適な溝が掘られています。製造技術や精度が今の時代はすごく良くなっているので『正直、そこまで確認しなくても』とも思うんですが、ボブさんは全ての溝をチェックさせます。100%の検品ですよ!?すごくないですか? 理由は最低水準でも標準レベルが高い溝であってほしいからで、良いものと悪いものの幅をなるべく狭めることが大事になってきます」(ジェラード氏)

前々回の【ショットの汎用性】のグラインドの大切さでジェラード氏が話した通り、最適なバンスを選ぶことで、「溝の下2本~5本目の正しい位置に当たりやすくすることで、低い弾道でスピンの利いた球が打てる」と説明したが「打点を上下じゃなく、左右にズレた場合にスピンはどうなる?」と質問。トウやヒールに打点を外してもさしてスピン量に影響はないようだ。

「ドライバーと同じです。ウェッジはドライバーと違ってギア効果が少なく、インパクト時にフェースのブレ方が少ないです。ですから、トウに外してもヒールに外しても、上下に打点がズレるよりもスピンへの影響は少ないです。やはり、スピン量のためには溝が一番大事になります。テクスチャーも大事ですけど、溝の方がやはり大事で溝の上の部分に引っかかることでスピンが生まれるんですね。もう一つ、スピン量で大事なことは、ゴルファーが溝をキレイにせずに使いがちということ。スピンのためには溝をキレイに保つことが大事ですよね(笑)」(同)
 
■バランスはD2に抑えている
 
ボーケイ流のウェッジ哲学をおさらいして、改めて日本人ゴルファーの懸念点も把握している様子のジェラード氏。「バランス」にこだわる人に向けて、こう話す。

ギャラード氏自身は【D5】のバランスでも問題なく『SM10』のこの3本を使用している

ギャラード氏自身は【D5】のバランスでも問題なく『SM10』のこの3本を使用している

「日本の読者でスイングウェイト(バランス)に焦点を置く方もいらっしゃることは存じ上げております。もしかしたら一番の興味と言ってもいいかもしれませんよね? 『SM10』は【D5】ですが、『ボーケイフォージド』はちょっと軽くなって【D2】と、日本のゴルファーに向けてデザインされていて、若干軽くなっています。シャフト(N.S. PRO 950GH neo)は新しいものではないですが、我々が非常に気に入っているシャフトで我々がゴルファーにアンケートすると『これ好きだから絶対に替えないで!』とよく言われるモノですね。

さらに素晴らしいのが、タイトリストは今、CBC川崎工場を持っていること。2年前のカスタムオーダーは米国から送らないといけなかった所ですが、今はカスタムで好きなクラブを川崎ですぐ組み上げることができるので、素早く手に入る形になりました。そして、過去モデルはけっこう長めに市場に出ていたと思いますが、今回の『ボーケイフォージド』は本当に市場に出ているもの限定です。1週間とかでなくなるほどではないですが、数ヶ月で全てゴルファーのカバンに入ってしまうのではないかなと予想しています」(同)

1 / 8

ジェラード氏自身は『SM10』の50.08F―56.14F―60.08Mの構成を「愛している」そうだが、『ボーケイフォージド』の方が「美しい」と感じており、手に入る日本人が「世界のウェッジ好きから羨ましく思われている」。気になる人は、今回だけはお早めに。

読まれています


おすすめコンテンツ

関連サイト