「テクノロジーごっこは、もう終わり」ってどういうこと?
PCM編集長(以下、P編) 「うん、挑戦的というか、すごい勇気の決意表明だよね。企業としてここまで力強いメッセージを出せるところも無いんじゃない? 真面目な社風のヤマハがこれだけ言うってことは、相当な自信の裏付けがあるはずだ。(早く調べたい)」
PCM筒康博(以下、筒) 「ゼロから創り直すって、過去の否定ですよ? 中々できることじゃないですし、そこまで気合いが入ってるのなら、我々も本気で調べなきゃいけないですね。久々に脳内試打から行きますか!」
P編 「………。(全部、PCMラボの持ち物だっての!)なんだよ、どれだけ取材する気?しょうがないヤツだなぁ〜」
―― ヘッド計測、シャフト計測、フェース厚み計測 ――
―― 弾道計測器でインドア試打 ――
―― ヘッド動作解析『ギアーズ』試打 ――
―― 後日、コースでラウンド試打 ――
P編 「結論から言うけど、2019年発売で一番飛んだ」
P編 「長岡、結論から先に言っていい? もう断言できるんだけど、、私は2019年発売モデルの中で一番飛んだ。そして、曲がらない。結論として私は
筆者 「ちょっと待って村田さん、それ春発売のモデルもこれから秋発売のモデルも含めてってこと?」
P編 「うん、今年コースで打ったドライバーでは一番だね」
筆者 「マジかァ〜〜、ボクと一緒じゃないですか! あのボカーン球でしょ? そうなんだよなぁ〜」
筒 「あの高弾道の限りなくストレートに近い、滞空時間の超長い棒球でしょう? 確かに、長岡さんと村田さんは、2人ともあの球出たら、言うことないでしょうね。ボクも飛んでましたけど、一番かどうかはわかりません。インパクトの操作が出来るヘッドの方が、ボクは飛ばせるかなぁ〜、風とかホールによって色々やりたいことがあるじゃないですか!」
筆者 「極大MOIとブーストリングの組み合わせ、ヤバイ…」
筒 「長岡さんは吹き上げ名人だから、特に上下MOIの大きいヘッドは助かりますよね〜。でも、タテだけじゃないって。ヨコ、左右MOIも高いからサイドスピンも全然入らないですよ? だから、インパクトで細工を入れられない。強めのドローを打とうとしたら、そのまま真っすぐ抜けちゃう!低い強ドローでランを出したかったのに、ボクにとっては不満です!(キリッ)」
P編 「筒さん、コレって長岡とか私のように、下手な人に最高の結果が出るクラブだって! それにインパクトで操作したい人ってかなり少数派じゃない? あと、飛距離が出るのは初速の部分だな、やっぱり【ブーストリング】が付いた効果はハッキリ出てると思う」
筒 「はい、もちろん。太鼓と同じだと思うんですよ。ガチッとしっかり革を固めてハリを出すと、いい音が出ますよね? そのイメージだと思います。【ブーストリング】が付いたせいか、前作よりも弾きだけじゃなく、音も打感もよくなったと感じますね。
実際、ボクのヘッドスピード(約42m/s)でも室内の弾道計測器調査でボール初速が64m/sを越えてきましたから。弾きはかなりいい部類ですし、少しトゥやヒールに打点が外れても、62とか63m/s近く出てました」
P編 「ブーストリングがある上、実際フェースも薄い」
最薄部1.7ミリって市場に出てるドライバーの中でも最薄に近い数字だもん。それに、『120』は5180g・cm2で、『220』の方は5760g・cm2という、とんでもない左右MOIだろう? 大MOIになるほど打点の寛容性は広がるし、【ブーストリング】✕【薄フェース】✕【極大MOI】という組み合わせは、どこに当たっても高初速を出せると筋が通ってるよね?」
筆者 「そっか! だから打点がブレまくるボクでも飛ぶのか!」
筒 「ぐぬぬ……。(ヤマハめ、余計なことを…)」