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テントが一切ナシ! オーガスタの“アナログさ”と“荘厳な雰囲気”

今年も行われた、“春の祭典”ともいえる「マスターズ」。米国スポーツ界の一大イベントは、その雰囲気も独特。そこで現地で“見た”、“感じた”ことをお届けしたい。

所属 ALBA Net編集部
笠井 あかり / Akari Kasai

配信日時:2025年4月15日 07時30分

オーガスタに携帯電話を持ち込めないのは有名な話。早く戦況を伝えたい…というメディアももちろん例外ではなく、使用できるのはプレスビルディングの中だけ。駐車場からその建物の道中でさえも使用はNG。『ここから先は携帯禁止』という案内が、あらゆるドアの前に置かれている。

【写真】現地で激写! オーガスタの“荘厳な雰囲気”をお届け

コース内で選手らの成績を伝えるスコアボードはかなりアナログ。もはや当たり前の電光掲示板は一切なく、ボランティアが手動で大きなボードを入れ替える。この大役を担うボランティアは“タイミング”が命なのだとか。大勢のパトロン(ギャラリー)がスコアが入るのをいまかと待ち構えていて、注目選手がバーディを奪えば『ウォー!』と歓声が上がる。だから決して、選手がルーティンに入ってボールに構えるときに行ってはいけないのだ。

クリーンも徹底していて、ゴミを拾うスタッフが巡回。かなりの数のパトロンがいるのだが、コース内の緑色のゴミ袋があふれているのを見たことがない。そんな“伝統的な場所”に身を置いているという意識からか、パトロンはルールを順守する。

たとえば、『お静かに!』を示すクワイエットボードがなくてもシーンと静まる。選手が素振りをしているときにロープ際を警備するスタッフなどが手を挙げてアピールはするのだが、打つ直前には手を下ろして地面にしゃがみ、パトロンの視界のジャマにならないようにしている。

看板も最低限。ティイングエリアには●番ホールを示す数字だけ掲げられていて、ヤーデージ、スポンサーの看板は一切ない。パトロン向けの案内板はいくつかあるのだが、このデザインもいたってシンプルだ。

さらに語るうえで欠かせないのが、ありとあらゆる施設がきちんとした“建物”になっていること。ほかのトーナメントはアテストエリア、一般向けのトイレ、グッズ売り場、コンセッション(売店)、プレスルームなどに仮設テントが用いられるが、ここは全てれっきとした建物。トイレにはかならずスタッフがいて常に清潔をキープ。まるでディズニーランドのようだ。

メディアですらロープ内には入れず、フェアウェイは限られた人のみが歩くことができる。どこをどう切り取っても綺麗な風景。これが世界最高のトーナメントと言われる所以なのだろう。(文・笠井あかり)

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