「トッププレーヤー」の年間出場義務試合数が現行の15試合から20試合へ増やされたことは、「スター選手が勢揃いしてこそ、PGAツアーのファンが増える」と主張したマキロイらの意見が反映された変更だと言われている。
そうやってPGAツアーを存続させ、さらに成長させようと率先して動いてきたマキロイが、ツアー選手権を制し、3度目の年間王者に輝いたことは、まるでドラマの筋書きのようにタイムリーで、そして意義深い。
「世界のベストプレーヤーが集結しているこのPGAツアーこそは、世界で最もグレートな場所だ。今こそは、最高の瞬間だ」
折りしも、ツアー選手権終了とタイミングを合わせるかのように、今年の全英オープン覇者キャメロン・スミス(オーストラリア)など数名が新たにリブゴルフへ移籍するというニュースが巷を駆け巡っているが、マキロイの圧巻の逆転優勝には、そうした喧騒とはまったく異次元の崇高さが漂い、その背後にはPGAツアーの歴史の重みも感じられる。「ローリーは勝者に値する」と潔く敗北を認めたシェフラーのグッドルーザーぶりも心地良かった。
「僕はお金のためにゴルフをしているわけじゃない。でも、必死に戦った上で手に入る(フェデックスカップの)ボーナス・マネーは素晴らしいギフトだ」と語った彼の言葉には、リブゴルフへの最大の皮肉とPGAツアー選手たちの団結力が滲み出ていた。