バーンズにとって、この勝利は今季3勝目。ツアー通算4勝目となり、マスターズを制覇して今季4勝、ツアー通算4勝としているシェフラーに追いつきそうな勢いを見せている。フェデックスカップ・ランキングでも、1位のシェフラーに続いて、バーンズが2位につけ、25歳の親友どうしがいま、PGAツアーの最前線を勢いよく走り始めている。
とはいえ、2人の快走は突然変異のごとく始まったわけでは、決してない。シェフラーはテキサス州で、バーンズはルイジアナ州で、それぞれ「天才少年」と呼ばれながらも、奢ることなく日々コツコツ腕を磨いてきた。
バーンズにとっての一番の思い出は、まだ14歳だった2011年に、このコロニアルCCを訪れ、同じルイジアナ州出身で全米プロ覇者のデビッド・トムズがこの大会で勝利した瞬間を間近に眺めた日のことだ。
「11年前、故郷ルイジアナのヒーローがこのコロニアルで勝った日のことを僕は昨日のことのように覚えている。戦いを終え、家族と抱き合って喜んだデビッドの一挙手一投足は、僕の脳裏に全部焼き付いている」
トムズの勝利を眺めたコロニアルCCで、今度は自分自身が、しかも7打差からの猛追で親友シェフラーを捉えてプレーオフで下したことは、バーンズにとって信じがたく忘れがたき思い出の優勝となった。
