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「神様はどれだけ試練を…」 西村優菜はしぶとく、粘り強く60台 決勝R進出でつかんだ“自分らしさ”

西村優菜が「69」をマーク。およそ1カ月ぶりの60台で、この上昇気流に乗るつもりだ。

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2023年9月9日 12時00分

<クローガー・クイーンシティ選手権 2日目◇8日◇ケンウッドCC(オハイオ州)◇6515ヤード・パー72>

粘り強いプレーが西村優菜の持ち味だ。飛距離が出なくとも、フェアウェイウッドで長い距離を乗せて、バーディパットを決める。ピンチを迎えても小技で乗り切る。そんなプレーが久しぶりにできた喜びは大きかった。予選通過がかかる2日目。4バーディ・1ボギーの「69」で回り、トータル3アンダー・36位タイで週末行きを決めた。

西村優菜の現地インタビューが届きました【動画】

パーオンに成功したのは13ホール。ピンチもありながら、耐えに耐えた。前半は6番でバーディが先行したが、ピンチの連続だった。「神様はどれだけ試練を与えるんだと思いながらやっていた」。うまくいかないこの数戦と同じ展開になっても、この日は試練に打ち勝った。

きわどいパッティングでパーを拾い、ボギーフリーのまま1アンダーで後半へ。ところが、11番は3パットのボギー。「痛いボギー。何をやってるんだろうって思ったけど、12番がチャンスホールだったので」と、すぐさま意識は次のホールへ向いた。このパー5で会心のショットをふたつ続け、2打でグリーンエッジまで運びバウンスバックのバーディ。続く13番でも「好きなラインじゃなかったけど」と、3メートルのスライスラインを読み切り連続バーディ。この時点でトータル2アンダー、予選カットラインを上回ったが、そこからが西村の強さだった。

3ホールでパーを並べ、迎えた17番パー4。408ヤードと決して短くないホールでピン右9メートルに乗せると、これを決めて力強くこぶしを握った。「マイナス3で18番に行くのと、マイナス2で行くのとでは気持ちが違っていたと思うので、ご褒美だと思います」。耐えた西村に、ようやく神様が微笑み返した。

60台は5戦前のスコットランド戦3日目以来。「久々な感じがするし、気持ち悪さがあっての60台じゃなくて、いい感じで回れての60台。久々に満足いくプレー。なんか、ちょっと昔の感覚が見えてきた、そういう感じです」。10月以降のアジアシリーズ出場権獲得には、今週でポイントランキングを上げるのが大命題。「この2日間がすごく大事になってくると思うので、しっかり60台を目指して2日間をプレーしたい」。ギリギリから這い上がってきた西村の、本当の強さはここからだ。(文・高桑均)

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