＜ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 事前情報◇28日◇レイクノナG＆CC（米フロリダ州）◇6624ヤード・パー72＞
いよいよ大きな一歩を踏み出す。昨年の日米共催「TOTOジャパンクラシック」で優勝し、米ツアーメンバー入りを果たした竹田麗央が、ルーキーとしてデビュー戦を迎える。
世界最高峰の舞台に胸を高鳴らせている。「えー…全部です。ワクワクもしているし、緊張もすると思うので」と、いまの心境をひと言で言い表すのは難しい。時折笑顔を見せながらも、落ち着いた様子で開幕までの準備を進めている。
昨年に日本ツアーで年間女王に輝いたこともあって、短いオフシーズンは多忙を極めた。スポンサー関連の仕事はもちろんのこと、お正月ならではのCMにも出演。「初めて呼んでいただけるお仕事もあった。いままで会ったことがない方とお会いできて、すごく新鮮で楽しかったです」。大ファンでもあるロックバンド『UVERworld』のライブでは、メンバーと直接話す機会もあったという。
年明けには体調を崩したこともあり、練習時間の確保が難しかったというが、それでもフロリダに入る前に、ハワイで10日間ほどの合宿を張った。「ショートゲームを多めに練習できた。まだ試合の感覚を忘れている部分もあるし、ショットももう少し良くなればというところ。そこは試合をこなしながら、いい感じに持っていければ」と、全英以来となる海外試合に向けて気を引き締める。一方で、練習ラウンドではピンを刺すショットを見せるなど、ショット力を光らせていた。
この開幕戦は過去2シーズンの優勝者のみが出場できるエリートフィールド。さらにセレブリティ、元アスリートのレジェンドらとのプロアマ形式で行われるのも特徴だ。「そういう方々と一緒に回る機会はめったにないので、楽しみたい」。野球好きとしてはメジャーリーガーとの“共演”にも期待を寄せる。
「日本とはだいぶ（生活が）変わる。その生活に慣れて経験を積みたいけれど、もちろん優勝もしたい。早く（米ツアーに）慣れて、優勝を目指せるくらいの気持ちになれれば」。2つの日本タイトルを含む年間8勝を飾り、米ツアーへの道を切り開いた21歳。期待を膨らませながら、新天地での挑戦が始まる。（文・笠井あかり）
