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病魔と戦いながらのツアー転戦 アリー・ユーイングが現役引退「次の章が楽しみ」

米ツアー通算3勝のアリー・ユーイングは今季限りで競技生活に一区切りをつける。

所属 ALBA Net編集部
笠井 あかり / Akari Kasai

配信日時:2024年11月21日 12時30分

アワードでは『ファウンダーズ賞』を受賞したアリ―・ユーイング。尊敬のまなざしを向けられる32歳がラストマッチに臨む
アワードでは『ファウンダーズ賞』を受賞したアリ―・ユーイング。尊敬のまなざしを向けられる32歳がラストマッチに臨む (撮影:南しずか)

<CMEグループ・ツアー選手権 事前情報◇19日◇ティブロンGC(米フロリダ州)◇6700ヤード・パー72>

世界ランキング18位で、CMEランキングは13位。32歳になってもなおツアーを第一線で引っ張る通算3勝のアリ―・ユーイング(米国)が、今大会を最後に現役を引退する。

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9月の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」開幕前の水曜日に、自身のインスタグラムで引退を発表。シーズン序盤から、今年で10年目となるプロ生活にピリオドを打つと決めていた。

2016年に下部のシメトラ・ツアー(現エプソン・ツアー)に参戦すると、翌年にはレギュラーツアーに昇格。世界最高峰の舞台で転戦を始めた。初優勝したのは母校のゴルフヘッドコーチと結婚して数カ月後。20年「LPGAドライブオン選手権」で勝利したが、これは28歳の誕生日(10月25日)のことだった。

そして22年に2勝目、23年には3勝目と勝利を重ねていった遅咲きの選手。「2回目は結婚1周年記念日、3回目はちょっと悲しいけれど9・11。だから3つの日付はずっと覚えていられるの」。そして今年、優勝こそないものの、メジャーでは3度のトップ10入り。188万ドルあまり(約2億9000万円)を稼ぐほどのシーズンを送っているが、これでキャリアに幕を下ろすことになる。

引退する理由は、落ち着いて、“旅行”を減らし、友人や家族と家で過ごす時間を増やしたいから。LPGAのツアーカードを獲得した16年には1型糖尿病であることが発覚。病気と闘いながらのツアー生活だったが、かなりの体力を消耗していることも説明された。

「2年ほど前から、あと2~3年だろうと考えていた。もしこの先、子どもに恵まれたら、私にとってはリスクの高い妊娠になる。いろいろなことを考慮して、ちょうどいいタイミングだった。いいゴルフをして終えたかった。幸い、今年が最後の年だと分かっていたから、最高のゴルフができた」

プレー仲間から見て、その言動がLPGAの精神、理想、価値観を最もよく表していると評価された選手が選ばれる『ファウンダーズ賞』を受賞した。「とても名誉なこと。努力することで得られるものもあるけれど、仲間から尊敬されることは、とても意味のあること」と感謝。20日に行われたアワードには夫と出席し、「両親のおかげでこのような人間に成長することができた」と家族に感謝した。

「次の章に向けてワクワクしている。具体的なことは言えないけれど…小さなことでも楽しみよ。私にとって、人生にはゴルフ以上のものがたくさんあるはず。この扉が閉ざされて人生を歩むことになったとしても、寂しさはあるけれど、次の章が楽しみ」。みんなから愛される選手が、惜しまれながらラストマッチを迎える。(文・笠井あかり)

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