<ポートランドクラシック 2日目◇1日◇コロンビア・エッジウォーターCC(オレゴン州)◇6467ヤード・パー72>
何をやってもうまくいかない1日を終えて、勝みなみが目に涙を溜めて声を絞り出した。「いや、本当、何ですかね…」。しばし沈黙のあと、頬を伝う涙を拭いながら、原因を探るように懸命に1日を振り返った。
初日は最終ホールのバーディで3アンダーフィニッシュ。ボギーフリーは評価したが、バーディ合戦のなかでは最低限の結果に2日目の飛躍を誓った。そんななかでの2バーディ・3ボギー。7番までに2バーディを奪ったが、9番、11番とボギー。予選カットラインとの攻防戦上で迎えた終盤の16番でもひとつ落とし、2打足りずに2戦連続で週末行きを逃した。
チャンスを作るも決めきれず。そんな展開から不安が募り、ショットにも悪影響を及ぼす。「1コでも入ってくれたらよかったのでしょうけど、負の連鎖みたいになっちゃって」。悪い流れに入ればすべてがかみ合わず、悔しさがあふれるばかり。
「基本的にそんなに悪くない」と大きなミスよりも小さなミスからの失速が続いた。それだけに、悔しさも倍増。「ほんのちょっとしたところでズレが生じてスコアにつながっていないんだなと思った」。思いとは裏腹に、好機を逃し続ける原因を探れずに終わってしまった。
今大会は、6月中旬からバッグを担いできたミック・シーボーン氏とのラストタッグ。かつて宮里藍のエースキャディを長年勤めた大ベテランキャディとのラストマッチは2日間で幕を閉じた。「苦しいラウンドのときもミックのアドバイスで予選を通って上位に行けた試合もあったし、ほんとうに助けられた部分が大きかった」と、つらい別れを迎えることとなる。「ほんとうにさすがベテランのプロキャディというか、いろいろ勉強になった部分もあったので、これからいろいろ活かしていけたらと思います」と感謝を述べた。
シーズンも後半戦に入るが、今回の予選落ちでポイントランキングも下がる見通し。出場人数が絞られる10月以降のアジアシリーズ参戦は、次週の結果次第となった。声を震わせ誓った逆襲。ここで沈むような勝ではないはずだ。(文・高桑均)
