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攻守のメリハリは「左右逃げも縦逃げも」 西村優菜のステディな一日

先週に続き上位で決勝ラウンドに進んだ西村優菜。緻密な戦略が、そのラウンドを支えている。

所属 ALBA Net編集部
笠井 あかり / Akari Kasai

配信日時:2023年10月7日 09時56分

<アセンダントLPGAベネフィッティング ボランティアーズ・オブ・アメリカ 2日目◇6日◇オールド・アメリカンGC(米テキサス州)◇6517ヤード・パー71>

終始安定した一日だった。西村優菜のフェアウェイキープ率は13ホール中11回、パーオン率は18ホール中17回。そのショットの安定感は、「69」ともちろん伸ばすゴルフにつながっていく。トータル4アンダーの9位タイで週末へと進んだ。

好調・西村優菜 ラウンド中の表情は?【フォトギャラリー】

「タッチを合わせようと思ったのが入ってくれた」と10番を“おはようバーディ”とすると、「チャンスホール」の17番パー5では3打目を1.5メートルにつけ、それをモノにした。折り返し直後の1番では10メートルほどを流し込んで、この日3バーディ(1ボギー)。連日の「69」だがパーオン率が高かったことを考えると「やさしいところでもうちょっとチャンスにつけられたら、あと1つ、2つくらいはいけたと思う。そこは修正ポイント」と少し物足りない。それでも2試合連続で上位で決勝に進んだことについては笑顔だ。

開幕前夜にグリーンを濡らした雨は、すでに渇き、時間が経つにつれて硬さは増していった。「きょうの方が硬くなって難しいと感じている」。アンジュレーションも強く、ピンポイントで狙っていかないといけない状況が多いなか、ステディに一打一打を積み重ねていった。

「メリハリというのはしっかりつけるようにしていて、パーオン率をいかに上げられるかを意識していました」

攻めるだけではなく、ときには逃げることも必要。唯一パーオンを逃した3番パー3では、ティイングエリアで最初は6番アイアンを握っていたが、7番アイアンに持ち替えた。ピンは手前から5ヤードという状況。「大きいクラブを持ったら奥に行くと思ったので『それだったらニアショートくらいでもいいか』という気持ちで」。7番を取りに行こうとすると、隣に立っているキャディがすでにそれを持っていて手渡してくれた。相性もバッチリ。花道に外したが、2パットのパーで難なく切り抜けた。

ピンが左右に振られたときに狙いすぎないだけでなく、手前や奥にピンが切られた場面では縦の距離感でも安全策を取った。「左右逃げもあるけれど、縦逃げもやりました」。難しいコースで集中力を切らさなかったことで頭も疲れたが、「ヤーデージブックをみながら頭を使ってやるゴルフは嫌いじゃない。これもひとつ経験として価値のある1週間になると思う」と心地よさも感じている。

「(ピンポジションが)すごく難しくなる気がする。怖い(笑)」と苦笑いも浮かべながら見据える残り2日間。首位との差は6打だが、ステディな西村にとっては決して大きな差ではないはず。予選通過のご褒美「フローズンヨーグルト」で頭をリフレッシュさせて、36ホールの攻略を練る。(文・笠井あかり)

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