米国女子ツアーは先週の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」を終え、出場者が限られるシーズン最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」を除くと残りは6試合になった。今週は「アセンダントLPGAベネフィッティング ボランティアーズ・オブ・アメリカ」(10月5日~、テキサス州)が行われ、そこからは中国、韓国、マレーシア、そして日本を回るアジアツアーに突入する。ここからは各大会の優勝だけでなく、来季のシード、さらにシーズン最終戦の出場権争いにも注目が集まる時期だ。
米国女子のシードは、各試合の順位をポイント化し序列する『CMEグローブ ポイントランキング』が基準になる。国内女子ツアーのメルセデス・ランキングと同様に、このポイントランクにより、年間女王のみならず、シード権や特別な大会などの出場権も決まる。ちなみに来季のフル出場権が得られるのは、ポイントランク上位80位まで。世界中から集まっている選手たちの、トップ層しかその権利を手にすることはできない。
では、ここで日本勢の現状をおさらいしよう。最上位につけるのは、1621.075ポイント(pt)で8位の古江彩佳。先週の「日本女子オープン」など現在、国内ツアーにスポット参戦中だが、5月のマッチプレー大会「バンク・オブ・ホープ LPGAマッチプレー」準優勝など、19試合でトップ10入り7度と安定感が光り、上位を維持している。2412.650ptでトップに立つセリーヌ・ビュティエ(フランス)とは約790pt差あるが、女王争いに期待がかかる。
続けて13位に、6月の「KPMG女子プロ選手権」2位などの成績を残す笹生優花(1378.879pt)が続く。“日本のエース”畑岡奈紗は、1249.170ptで18位だ。この2人も古江同様に、今季未勝利だが上位をうかがう位置にいる。今季優勝者よりも、この3人の方が上位というケースもあり、勝たなくてもコンスタントに好成績を残すことが、いかに重要かが分かる。
そして先週のウォルマートNWアーカンソー選手権では、西村優菜が来季出場権に“当確ランプ”を灯した。この大会で3位タイになった西村は、168.75ptを上積み。今季累計を436.551ptにした。昨季のポイントランク80位になった選手は379.840ptで、今年はこのラインがひとつの目安になるが、そこを突破。シード選手として2年目のシーズンを戦えそうだ。次に狙うのは、ランキング上位60人が出場できる最終戦。ちなみにこちらは昨年572.226ptがボーダーだっただけに、もう一山越えたい。
ここからは、シード争いの渦中にいる選手たち。先週予選落ちした渋野日向子は317.213ptのままで、ランキングを71位から76位に後退。現時点ではシード圏内にいるが、昨季のボーダーにはまだ届いていない状況だ。なるべく早い段階で、安心しておきたい。
293.730ptの勝みなみは、79位とまさに80位というライン付近にいる。3連覇がかかった先週の「日本女子オープン」出場をやめて、シードを確定させるため米国に戻った。あと100pt以上は、最低でも上積みしておきたい。
また今季10試合に出場する野村敏京は、92.937ptの134位に位置。今季5試合に出場するも、まだ予選通過のない上原彩子は、獲得ポイントがないため現時点でランキングに名前はない。ちなみに米国女子ツアーのポイントは、優勝者に原則500ptを付与。トップ10で75ptくらいを上積みすることができる。メジャーで勝つと、勝利ポイントが650ptに増える。ここから来季の職場をかけた争いも激化の一途をたどっていく。
【CMEグローブ ポイントランキング 上位】
1位:セリーヌ・ビュティエ(2412.650pt)
2位:イン・ルオニン(2389.870pt)
3位:リリア・ヴ(2154.718pt)
4位:コ・ジンヨン(1904.640pt)
5位:キム・ヒョージュ(1803.029pt)
6位:アリセン・コープス(1669.154pt)
7位:チャーリー・ハル(1650.393pt)
8位:古江彩佳(1621.075pt)
9位:リン・シユ(1559.086pt)
10位:ユ・ヘラン(1502.627pt)
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13位:笹生優花(1378.879pt)
18位:畑岡奈紗(1249.170pt)
61位:西村優菜(436.551pt)
76位:渋野日向子(317.213pt)
79位:勝みなみ(293.730pt)
134位:野村敏京(92.937pt)
※日本時間3日現在