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悲劇の2017年大会 主役2人が流した涙【敗者レクシー・トンプソン編】

悲劇の2017年大会 主役2人が流した涙【敗者レクシー・トンプソン編】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2018年3月28日 13時05分

ANAインスピレーション 事前情報◇28日◇ミッション・ヒルズCC ダイナ・ショア・トーナメントC(6,763ヤード・パー72)>

今年も海外メジャーシーズンがやってきた。現地時間の29日から開幕する女子初戦の「ANAインスピレーション」、そして翌週の男子初戦の「マスターズ」と、ゴルフ熱が上がる2週間がスタートする。女子版マスターズともいわれるANA。誰もが憧れる舞台は数々の名勝負を生んできた。中でも、昨年大会は記憶に残る年となった。

【関連動画】レクシー、涙を浮かべながら懸命に… 2017年の最終日大会ハイライト

最終日、サンデーバックナイン。優勝争いも佳境のなか、首位に立っていたレクシー・トンプソン(米国)に悲劇が起きる。前日の第3ラウンドでのできごと。グリーン上でマークしたボールをリプレースする際、わずかに違う場所に置き直し、そのままプレーしてしまったのだ。本人も周囲も気づいていなかったほんのわずかな差。テレビ視聴者からの指摘で、LPGAが取った措置は、まさかの4罰打。しかも前日のペナルティーを日曜日の午後に下すという前代未聞の裁定となってしまった。

突然、首位から陥落したトンプソンは失意の中、最後まで戦い抜いた。何とかユ・ソヨン(韓国)とのプレーオフまで持ち込んだが、1ホール目で力尽きた。「ペナルティーをいい渡された瞬間は冗談だと思った。そこから最後まではずっと涙をためながらのプレーだった。それでも最後までプレーできたのは、ファンのために頑張らないといけないと思ったから」。

会場も騒然となり、誰もが事態を飲み込むことができなかった。トンプソンが一気に4つスコアを落としたという事実だけが残った。「人生でも最高のゴルフをしていた週だった。あの夜は苦しんだ。叫んで、泣いて、悪夢を見て。その後も何度も悪夢を見た。今でもたまに見る。でもファンがいつも私についてくれていた」。今となっては、ホールアウト後に最後の1人まで、涙を流しながらサインを続けた姿は、これからも語り継がれるシーンの1つだ。

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