「楽しいです。小さな子もハイタッチとかしてくれてうれしかった。あれは無視できない。バーディを獲って気分が良かったかもしれないけど、下を向いていても小さい子は目に入るので」。プレゼントをねだられ立ち止まった渋野は、はめていたグローブにサインをし、子どもに渡し、さらには記念撮影にも応じ、さらに花開いたスマイルで、最終ホールも完璧な3打を並べて大歓声を浴びた。
「予選通過できたらいいかなと思っていたくらい」と気楽に乗り込んだ初メジャー。この日も「緊張はなかった」としたが、流れを切るのも自分なら、それを戻すのも自分自身。とにかく攻めに攻めて、ゴルフの流れもファンの声援も一気に呼び込んだ。この日コースを訪れたのは1万4000人強。日本から来たスマイルシンデレラは、その中心でゴルフの楽しさを存分に伝えた。
「ゴルフをして、楽しんで、笑う」とは、米ゴルフチャンネルのコメンテーターが渋野を形容した言葉。ここまではセンセーショナルな活躍を見せるが、勝負は残り18ホール。最後にとびっきりの笑顔を届けることができるのか。世界中が渋野の笑顔を待っている。(文・高桑均)
