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歴代覇者の手嶋多一が悪天候を味方に上位浮上「プレッシャーと雰囲気の中でやりたい」

2021年覇者の手嶋多一が首位と4打差の4位に浮上した。

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2025年9月20日 18時00分

<日本シニアオープン 3日目◇20日◇相模原ゴルフクラブ(神奈川県)◇6997ヤード・パー72>

2021年大会覇者の56歳・手嶋多一が、7位タイで迎えた3日目に1イーグル・6バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「66」をマーク。トータル10アンダー・4位タイに浮上し、大会2勝目、4年ぶりとなるツアー通算3勝目へ望みをつないだ。

〈写真〉65歳overとは思えない! 原辰徳氏のパワフルスイング

波乱のスタートだった。1番パー4でティショットを左に曲げてダブルボギー発進。「きょうはイーブンに戻すように頑張ろう」と気持ちを切り替えると、5番から3連続バーディ、8番ではチップイン・イーグルを奪ってリーダーボードを駆け上がった。

「やっと、後半にクラブが触れるようになった。それからだいぶ自分のゴルフになったんですけど、それまでは、なんか(気持ちが)浮いていましたね」。経験豊富なベテランといえど、ナショナルオープンでの上位争いに緊張を隠せない。「いいとこからスタートして、慣れているはずなんだけどね。変に体が止まって、ああいうティショットってなかなかないんですけど、やっぱり舞い上がっています」と心境を明かす。

この日は曇り空から次第に雨へと変わり、最終ホールでは本降りに。しかし手嶋にとっては好材料となった。「雨が降って良くなった。(グリーンが)止まるようになって、もっとピンを攻めれるようになったから。僕にとっては良かったのかな」。跳ねるほど硬かった初日のグリーンから一転、やわらかくなったコンディションを生かした。この日は67人中17人が60台をマークしたが、そのうちの一人となった。

今季はここまで6試合に出場し、トップ10入りは7月の「倉本昌弘 INVITATIONAL EAGLE CUPシニアオープンチャリティートーナメント」(3位タイ)のみ。

「北海道で3位に入って、それから良くなるかと思ったけど、また…」と表情を曇らせる。「今週から調子が上がればいいなと思ってやっていました。(前戦で)宮本(勝昌)くんと回ったんですけど、『これはすごいな』って彼とのレベルの差を感じた」と刺激を得て、今週に挑み、好結果につなげた。来週のメジャー「日本プロゴルフシニア選手権」に向けても、調子を上げていきたい。

首位と4打差で迎える最終日。「トップ3を目指して行きたい。最近上位でやっていないので、そういうプレッシャーと雰囲気の中でやりたいですね」。最後は持ち前の笑顔で「頑張ります!」と意気込みを示した。この日の後半のように「自分のゴルフ」ができれば、結果につながるはずだ。(文・高木彩音)

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