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左ヒザには人工関節 59歳・堤隆志のシニア挑戦「プロである以上はツアーに出たい」

左ヒザには人工関節 59歳・堤隆志のシニア挑戦「プロである以上はツアーに出たい」

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2022年6月17日 09時00分

昨年からツアーに出るときには、同じ大阪府出身で1歳年上の井戸木鴻樹と練習ラウンドを行っている。2013年に「全米プロシニア」を制し、昨年も3勝を挙げて賞金ランキング3位に入る実力者だ。「それは勉強になりますよ。ボールは曲がらないし、リズムとかアプローチとか勉強になります。目標でもありますよね。年は1個しか変わらないので俺もまだまだがんばらないといけない。若い選手でなく自分より上の先輩ですから。まだまだ弱音を吐いちゃアカンと思うんです」。

シニアの海外メジャーを制し、長年トップで活躍する井戸木は生きる教科書である。井戸木は堤について「地味だけど安定しているよ。体さえ元気やったらシード獲れそうやけどね」とその実力を認めている。

左ヒザは人工関節に置き換え、今年還暦を迎える堤を奮い立たせるものはなんだろうか。「やっぱりプロになった以上、レッスンだけで終わりたくないし、ツアーに出たいですよ」。人工関節置き換え手術に踏み切ったのも、昨年ツアー10試合に出場した経験が大きい。「昨年試合に出たことでちょっとやれるかなって思ったんです。やっぱり(ツアーは)いいところって分かっている。若い頃は予選落ちばっかりしてたけど、もういっぺん行きたいなって気持ちはずっとありましたから。シニアになっても」と目を輝かせる。

約30年ぶりのツアー転戦に喜びを感じているが、シード権獲得という目標もしっかりと掲げている。「野球やったらとっくに終わっている。ゴルフはシニアがあるからね。自分のゴルフができればもう少しやれると思う」。若い頃にはできなかったツアーのシード権獲得を追いかける。トレードマークは笑顔だが、ボールを打つときの研ぎ澄まされた顔はまさに勝負師。人工関節を埋め込んでも、まだまだ戦うアスリートである。

■堤隆志
つつみ・たかし/1962年10月27日生まれ、大阪府出身。大鉄高校(現・阪南大高)まで野球に没頭。高校卒業後に広野GCで研修生となりゴルフを始める。1986年にプロテスト合格。1993年にレギュラーツアーを1年間戦い、32試合に出場したが予選通過は5試合に終わる。ツアーとは縁がなくレッスンで生計を立てる生活が続いていたが、今季はシニアの予選会で2位に入り、約30年ぶりにツアー転戦している。

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