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前日は熱中症で担架搬送 満身創痍の植竹希望が頑張るワケ

熱中症が心配されるなか…。植竹希望は18ホールをやり通した。

所属 ライター
田中宏治 / Koji Tanaka

配信日時:2023年7月29日 16時56分

まさに根性。植竹希望は18ホールを回りきった。
まさに根性。植竹希望は18ホールを回りきった。 (撮影:鈴木祥)

<楽天スーパーレディース 3日目◇29日◇東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)◇6636ヤード・パー72>

2日目の中断中に熱中症で倒れた植竹希望だったが、19位タイで予選を突破すると、第3ラウンドも回り切り、トータル2アンダーの54位タイでフィニッシュした。この日は25歳の誕生日だったが、そんなことよりも体調が気になる満身創痍のラウンド。「やってみて、ダメなら棄権するつもりでした」と覚悟を決めてのスタートだった。

この日はペ・ソンウも熱中症でダウン…

雷雲接近による中断で多くの選手がクラブハウスで待機していたこともあり、植竹が倒れた瞬間、周囲は一時騒然となった。「ハーフターンぐらいから耳が聞こえにくくなって、手も震えてきていました。中断になってクラブハウスに戻ってきて、氷を取りに行こうとした瞬間に足に力が入らなくなりました」。すぐに担架が用意され、クラブハウス2階に設置された医務室に運び込まれたが、その時、意識はなく、目覚めたときには「知らないうちに上(の階)にいた感じでした」と振り返った。

立ち会った関係者によれば、植竹は気が付いてすぐに「再開は何時ですか?」とプレー続行の意思を示したとのこと。実際に植竹は中断明けにプレーを再開。すでにピンチだった最初のホールはボギーとしたものの、その後の4ホールを2バーディ・1ボギーで回ってきた。

危険、あるいは無謀な行為と感じるかもしれないが、医務室では体温や血圧などのチェックを受け、医師から「(プレーを)止める理由はありません」という言葉をもらっている。独断ではなく、あくまで医師の判断に従ったうえでのプレー再開だった。

昨季にツアー初優勝を挙げてシードを獲得した植竹だが、今季は出場20試合で9度の予選落ちを喫し、メルセデス・ランキング94位と低迷している。新クラブを手に挑んだ今大会では、中断の時点で6アンダーの16位タイと久々の上位につけていた。それだけに、プレーの続行を望むのは当然だろう。

前日のホールアウト後に病院で点滴を受けて臨んだ3日目。比較的涼しかったスタートの時点から氷のうを手にし、首のあたりを冷やしながら、より対策を徹底して臨んだ。4つスコアを落としたが、最後まで諦めずにプレーを続けた。

「もう1回点滴を受けてこようかなと思います」と最終日もプレーするつもり。今大会を無事に完走することはもちろん、この体調不良がこの後のシーズンに影響しないことを願いたい。(文・田中宏治)

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