小祝さくらが7日、神奈川県横浜市のゴルフ5フラッグシップストア トレッサ横浜店で行われた、ウェアを契約するルコックスポルティフ ゴルフのイベントに登場した。左手首の手術後、初めての公の場。応援タオルや横断幕を持参したファンの前に約4カ月ぶりに姿を見せ、交流を楽しんだ。
7月「明治安田レディス」で今季初優勝(通算12勝)を挙げた翌週、「大東建託・いい部屋ネットレディス」第2ラウンドの前半を終えたところで、左手首痛により、自身初の途中棄権。その後、『TFCC損傷(尺骨側手関節三角線維軟骨複合体損傷)』と診断され、手術をすることおよびシーズン残りの欠場を決断した。
SNSでは手術成功と近況を発信していたが、ファンと“直接”顔を合わせるのは久々。「たくさんの方に集まっていただいてありがたいです」と笑顔を見せ、回復ぶりをアピールした。
国内142試合連続出場という記録も持つ“鉄人”が、思わぬ形で戦線離脱。ゴルフで埋め尽くされていたスケジュールがぽっかり空いた。ただ、「切り替えが早いので(笑)。もう割り切って」とモヤモヤすることはなく、リハビリに努めてきた。
「最初は“すごくヒマになるんじゃないか”“ゴルフをしたくなるんじゃないか”とちょっと心配だったけれど、意外とそんなことはなかったです。やりたいことをたくさんやりながら生活をしていたので、あっという間にこの日が来ました」
もっとも、「初めての休みなので、何をしたらいいのかよく分からなかったけれど…」と明かす。最初はショッピングに何度も出かけていたが、「すぐに飽きて」しまった。旅行にも出かけ、大阪で野球観戦し、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにも足を運んだ。もちろん、毎週の試合もチェック。「生きているだけでこんなにお金かかるんだって実感しました」と“小祝節”も飛び出した。
最近は仲良しの竹田麗央と映画を鑑賞。「何も変わっていなくて、麗央ちゃんらしさがなんか懐かしいなって感じながらしゃべっていました」と、シーズンを終えた後輩と久しぶりに長い時間を過ごした。
術後3週間でギプスが外れ、最近になってようやく打撃練習を始めた。手首の負担を少なくするため、まずは8番アイアンからスタート。「ショットにはまだ怖さがある。初心者に戻った感覚で」と小さな振り幅からじわじわと段階を踏み、6番アイアンやドライバーも「軽く」打てるまでに回復している。
『いまの楽しみは?』と聞かれると、「最近、ちょっとゴルフがやりたい欲が出てきた」と答える。「休みを楽しんでいたので、それまで(ゴルフ欲が)なかったんですよ。なのでいまは、ゴルフをたくさんやりたいです」。鉄人の心に再び火がついたようだ。
来年3月に開催が見込まれる開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」には「出る気満々です」と意欲を示す。1月には海外合宿も予定し、復帰に向けて逆算したスケジュールを組んでいる。ただ、心境の変化も生まれているようで、「来年はちょっとだけ休みを入れようかなって考えています」とも明かす。
休養期間中、日光に当たる機会が減って肌もやや白くなった様子。リハビリを兼ねたトレーニングは術後すぐから取り組んでいるものの、「ちょっと太った気がします…」と苦笑い。来季も“稼げる”体を整えながら、ゆっくりと復活への歩みを進めていく。(文・笠井あかり)
