＜NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 初日◇19日◇マスターズゴルフ倶楽部（兵庫県）◇6495ヤード・パー72＞
今週は、賞金総額2億円（優勝賞金3600万円）のビッグトーナメント。さらに、2度賞金女王に輝いた今大会のホステスプロ、イ・ボミ（韓国）の日本ツアー引退試合でもあり、話題に事欠かない。シーズンが佳境を迎える中、勝負の行方はどうなるのか？ 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏に、現地情報も踏まえ今週も占ってもらった。
■右サイドのラフには要警戒
今年のマスターズゴルフ倶楽部は、昨年より全長が90ヤードほど短くなっているが、例年よりタフなコースセッティングだと大西氏は話す。「左のラフは短いですが、右のラフはとにかく長い。場所によっては出すだけとか、ボールがもう見えなくなって、ロストする可能性がある」と右サイドのラフに警戒。「なので、持ち球がドローの選手のほうが、有利なホールが多い。ティショットが大事になってくる」とフェウェイをキープする重要性を説く。
さらにグリーンも仕上がっているようで、「非常にキレイな状態。結構締まっていて硬いし、速い。『日本女子オープン』の時と同じぐらいのスピードがでると思う」とパッティングの技術も要求されるという。
ラフは長いし、グリーンも速い。「ラッキーとか運よく優勝っていうのはないのではないか。例年よりはスコアは出ないじゃないかなと思います」とフェアウェイキープ率が高く、パターがうまい“総合力”がある実力者が上位に来る、そんな展望を思い描く。
■前週予選落ちも心配なし
それを踏まえ大西氏が優勝候補筆頭として挙げるのはメルセデス・ランキングで4位につける小祝さくら。先週の「富士通レディース」では4月の「パナソニック・オープン」以来の“予選落ち”に終わったが「先週はフェアウェイが広く、セッティングはそんなに難しくなかった。今週は実力者が勢ぞろいするセッティングなので、間違いなく来ると思います。パターの調子もいいですし、ショットもバシバシきているので」と太鼓判を押す。
対抗馬は、5月の国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」以来の今季2勝目を目指す吉田優利だ。「調子は上がってきていると思います。練習場で見る感じでは、球が生き生きしていた。ドライバーをフェアウェイにおけて、ある程度距離がでるショットメーカーの上に、パターもうまい吉田さんは上位にくると思います」と注目選手に挙げる。
さらに、先週の「富士通レディース」で今季4勝目を挙げた19歳・櫻井心那。「今週の練習ラウンドをともにしましたけど、ショットが非常にいい状態で、飛んで曲がらない。パターの技術も高いですし、技術の総合力の高さが素晴らしいです。今ノリに乗っているので注目ですね」と10代では宮里藍以来、史上2人目となる年間5勝目も十分にチャンスがあると大西氏は予想をする。
■ずっとボミちゃんに付きたい（笑）
そして、今大会最も注目を浴びるであろうイ・ボミの日本ツアーラストマッチ。「ボミちゃんをみることができるのが本当に最後じゃないですか。もし、今週ここでギャラリーとして観戦ができるのであれば、ずっとボミちゃんに付きたい（笑）」と大西氏もボミには相当な思い入れがありそう。
現状のボミについては「いい状態とは言えないのかもしれないですけど、ショットを見ているといいドローボールを打っている。あれを安定して打つことができれば、自然と予選は通過できると思うし、上位に顔を出す可能性もあると思う」と日本ツアーの一時代を築いた女王の復活に期待を寄せた。
解説・大西翔太（おおにし・しょうた）/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす！！ 飛距離アップの正解』が発売中。
