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国内女子ツアーで『コブラ』がトレンドに? 藤田さいきは「3W、UT難民」という“長年の悩み”を解決

現在、国内女子ツアーで“あるメーカー”のクラブが、ジワリジワリとその勢力を拡大している。それが「コブラ」。今季、愛用する藤田さいき、そしてリ・ハナにインプレッションを聞いてみた。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年5月21日 15時30分

「スプーン、UT難民だった」と話す藤田さいきの長年の悩みを解決したのはコブラのクラブだった
「スプーン、UT難民だった」と話す藤田さいきの長年の悩みを解決したのはコブラのクラブだった (撮影:佐々木啓)

2週前に行われたメジャー大会「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で、まさに“死闘”ともいえる優勝争いを繰り広げたのが39歳の藤田さいきだった。もともと体調不良だったこともあり、申ジエ(韓国)とのプレーオフに敗れた後は、自力では歩けず救急搬送されるほどのギリギリの戦いを続けたが、その姿が見る者の心を打った。

【写真】「難民」藤田さいきを救った3WとUTはどんな顔してる?

■「難民」を救った3WとUTの正体は?

そんな藤田のバッグには、今季から大きな信頼を寄せるギアが入れられている。3番ウッド、4&5番と2本入ってるユーティリティ(UT)がそれ。すべてコブラ社の製品を使用している。そしてこれが藤田の長年の悩みを解消するキークラブになった。

まず3番ウッドは『DS-ADAPTフェアウェイウッド』を使用しているのだが、このポイントになっているのがロフト角。「実質バフィ(4番ウッド)なんです」と“秘密”を明かす。3番ウッドのロフト角は概ね15度前後に設定されるが、藤田は16.5度を使用。「ゴルフを始めた頃、ずっとバフィで育ってきたので、実はあまりスプーン(3番ウッド)が得意ではないんです」。そこで白羽の矢を立てたのが、今ではすっかり見る機会が減ったバフィを彷彿(ほうふつ)とさせる1本だった。

ロフト角16.5度に設定され「バフィ」のように使用している3W

ロフト角16.5度に設定され「バフィ」のように使用している3W (撮影:佐々木啓)

出会いは、3月に行われた「Vポイント×SMBCレディス」の会場。「ウッド系が得意じゃない」と明言する藤田だが、ここでテストしたらハマった。「イメージより、打ちやすかったんです。打感も好みで、試してすぐに入れました」。それは3Wと同シリーズを使用しているUTでも変わらない。自身のことを「スプーンとUT難民だったんです」と表現する実力者にとって、まさに“救いの1本”になったのだ。

クラブ契約フリーとあって、開幕前から入念にクラブ選びを進めてきた。「最初は楽をしようと思ってたんですけど、楽をしたらしたで『う~ん』という感じになってしまって。今は楽をしながらハードに…というテーマでやってます。自分を甘やかさないように」。そんなポリシーを満たしつつも、懸案事項を解消したのがこのクラブだった。「アイアンのように打てるのもいいなぁと思っているポイント。UTもその流れです」。こんな言葉を聞くと、その操作性の高さも伝わってくる。

この導入により、特に苦手意識の高い3番ウッドについては、現在、汎用性高く使用できているという。「200、210(ヤード)くらいでアゲンストになった時も、飛びすぎることがないので扱いやすい。風の具合にもよるけど、195、205、210(ヤード)くらいの距離で重宝してます。スプーンほど飛ばないからいいんですよ」。“4番ウッド”を探し求める中で出会った、好相性の1本については「これが理想なのかな」とまで言う。サロンパスの2位も含め、すでに今季トップ3入り2度という好調の理由が、こういう部分でもうかがえた。

■リ・ハナは強い信頼「これで優勝したい」

実はこのコブラのクラブ、国内ツアーでも使用者がジワリジワリと増え、日々、練習場でテストが行われているトレンドのひとつ。そのなかでドライバー『DS-ADAPT』を愛用するのがツアー通算1勝のリ・ハナ(韓国)だ。

オフにテストしてすっかりほれ込み、今季の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」からさっそく投入。その要因については、「ミスに強く、ミスヒットしても距離があまり変わらないんです。振りやすいですし、私個人としては構えた時にヘッドのトゥ側が低くなっているから、ピタッと地面に接してくれてるような安心感につながる。構えやすいというのも、気に入ってる点です」と明かす。

リ・ハナはドライバーを今季開幕から愛用。2季ぶりの勝利をともにつかむつもりだ

リ・ハナはドライバーを今季開幕から愛用。2季ぶりの勝利をともにつかむつもりだ (撮影:福田文平)

もともと小ぶりなヘッドが好みだが、DS-ADAPTはそれに比べるとワイドな設計。ただ、前述したようにシャープさを感じられることで、違和感なく使用することができているようだ。

さらにハナにとっては、こんなメリットも。「USTマミヤさんのシャフトと相性がすごくいいんです」。同社のシャフトを使用するハナは、いくつものヘッドとの組み合わせをテストしてきたが、このコブラのヘッドに挿した時にしっくりくる感覚があったのだとか。

USTマミヤのシャフトとの相性もバツグンだと話す

USTマミヤのシャフトとの相性もバツグンだと話す (撮影:福田文平)

話を聞いた時は、『アッタス RX サンライズ レッド』投入直後だったのだが、この「つかまりが良くて、初速が出る。しなり感はあるけど、ただしなるだけでなくしっかりしてる」というシャフトとのバランスも大きな判断材料になっている。

2023年の「樋口久子 三菱電機レディス」でツアー初優勝を挙げたものの、昨年は未勝利に終わった。今年は巻き返し、そしてさらなる飛躍を目指す1年にもなる。「このドライバーで優勝できたらいいな」。その傍らには、信頼できるドライバーが常にある。



この2人に限らず、現在レギュラーツアー、ステップ・アップ・ツアー問わず、積極的にテストを重ね、投入に向け調整を進めている選手は多い。“ハードヒッター御用達”というイメージもある同社のクラブだが、実際の印象を聞いてみると、むしろ“扱いやすさ”という点が印象に残った。今後、国内ツアーでコブラ旋風が吹き荒れることになるのか?

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