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山内日菜子の気ままな“おひとり様ラウンド”は3時間15分 レジェンドの“逸話”に驚き「タイムアタックしようかな?(笑)」

山内日菜子は自身初のおひとり様ラウンドを満喫した。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年10月4日 12時45分

山内日菜子はおひとり様ラウンドを満喫した
山内日菜子はおひとり様ラウンドを満喫した (撮影:福田文平)

<日本女子オープン 4日目◇3日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6616ヤード・パー72>

今年の女子ゴルファー日本一決定戦の決勝ラウンドに進出したのは67人。今大会の決勝は2人1組で、全員が1番からスタートする2サム1ウェイ方式を採るのが通例になっている。そうなると『67』は割り切れず、ひとりでプレーする選手が必然的に現れることに。この日はツアー通算2勝の山内日菜子が、その役目を担った。

【写真】山内日菜子はおひとり様ラウンド

予選ラウンドを終え、山内はトータル1アンダーの59位タイ。下位からスタートする3日目の先陣を切ることになった。前日の順位を見た時から、それは承知済みで、気持ちの準備も万全。ツアーでの“おひとり様ラウンド”は「はじめて」の経験だったが、「めっちゃ楽しかったです」と笑顔でクラブハウスに戻ってきた。

ひとりきりでプレーするうえで心がけたのは「ペースが上がりすぎないように、ゆっくりと」。普段よりも多めに水分補給をしたり、とにかく“間”を大事にした。「流れが悪くなったら、その影響を全部受けてしまうので」と、ミスの後もいつもより意識的に切り替えを心がけた。同伴競技者からのかけ声はなかったが、キャディからの『ナイス!』という声も支えに。「自分で自分をほめながらやってました」と気分を高めた。

4、5番では連続ボギーも叩いた。さらにティショットを深いラフに入れた12番では、3パットもあってダブルボギーが来てしまったが、「このままではダラダラと悪い方向に行ってしまう」と気合を注入。13番も右ラフからの2打目を強いられたが、続くアプローチを1メートルまで寄せ「必死のパー」を拾った。「ギャラリーさんが、全部、私を見てくれるのは贅沢だなと思いました」というよろこびも感じる時間だった。

午前7時15分にスタートし、最後のパットを決めたのは午前10時30分。実に3時間15分の、気ままな一人旅だった。「タイムアタックをしようかなとも思ったんです。めっちゃ走って」という考えもあったが、そこはビッグタイトルがかかる大会。ペースを崩さないことを、第一に考えた。ちなみにタイム優先でラウンドすれば「あと30分くらいは短くなったかも」と言って、笑う。

2009年の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の第2ラウンドでは、やはり1人の組になった不動裕理が2時間15分でプレーを完了したという“逸話”があるが、それを聞くと目もまん丸に。ただ山内の地元・宮崎県にある、会場の宮崎カントリークラブはホール間の移動もスムーズで、かつフラット。そんなことを思い浮かべながら、「今度、タイムアタックをしてみようかな? 休業日にお願いして」という冗談も飛ばした。

最終日は“通常通り”2人1組のプレーになる。「他の選手がいれば、(パット時の)ラインとか参考になる部分もある。自分だけのイメージでプレーするのもいいですね」。良し悪しは迷うところだが、ただ、これは順位が上がった証拠でもある。

「グリーンでも(他の選手の)ラインを気にしなくてよかったし、ほんと楽しかった~」。まだ誰も足を踏み入れていないコースを“独占”した山内にとって、8度目の日本女子オープンは、思い出深い大会になりそうだ。(文・間宮輝憲)

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