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「ゴルフができなくなるのでは…」 抱えていた“恐怖”を洗い流した原英莉花の止まらない涙【2020-21年“涙のワケ”】

「ゴルフができなくなるのでは…」 抱えていた“恐怖”を洗い流した原英莉花の止まらない涙【2020-21年“涙のワケ”】

配信日時:2021年12月15日 07時30分

表彰式を終え会見場に現れた時には、すでにいつもの明るい笑顔が戻っていた。記者たちからの拍手にもおどけた仕草で応える。しかし勝利の後に見せた涙の理由について聞かれた時、再び声を詰まらせた。「もう勝てないかも」、「もしかしたらゴルフができなくなるのでは」。2021年はそんな恐怖と戦う日々を送った。

この日までのことを、「何かしら不安を抱えていた」と振り返る。発端は昨年12月に出場した海外メジャー「全米女子オープン」。ここで予選落ちすると、「自分に足りないものが目につくようになった」と“あら探し”ばかりするようになり、気がつくと迷路に入り込んでいた。

さらに今年4月の「ANAインスピレーション」後には、シーズン通じて苦しめられることになるギックリ腰を発症。『一番苦しかったのはいつ?』と問われると、「ANAの後は腰のこともあって、自分でもよくわからない感情になりました」と、この時期を挙げる。“自信喪失”と“腰痛”。この2つが重なり、持ち味の豪快なゴルフも鳴りを潜めた。

エリエールの会場に向かう前、当初予定していた飛行機の時間を遅らせてまで向かったのが、千葉県に住む師匠・ジャンボ尾崎のもとだった。約3カ月ぶりに訪れると、会うなり『ダボを打ちすぎだろ!』とお叱りの言葉が飛んできたという。だがそこに『振り切りが悪い』というアドバイスを添えるのもジャンボ流。「この大会では振り切ることをテーマに掲げました。流れを変えていただいた。本当に感謝です」。原のゴルフ、そして性格をよく知る師の一言が目を覚ましてくれた。

「長かった」という日々を過ごした先に手にした勝利の感想を聞かれた時、「幸せです。ゴルフを続けてよかった」とポツリつぶやくように話した。そしてこの優勝を「来年への希望になる1勝」とも表現する。その2022年は、今年断念した米国ツアー予選会への挑戦を再び目指していく。苦しかった日々を流し落とした涙も乾いた今、原の視界にははっきりと“希望”が照らす道が見えているはずだ。

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